2011 Fiscal Year Research-status Report
バラ棘形成に関わる遺伝子群の構造・機能解析と新奇バラ創製
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23658026
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 省吾 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (90241489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹本 大吾 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (30456587)
河村 耕史 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (00595613)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | バラ / 棘 / AS1 / Class 1 KNOX |
Research Abstract |
ノイバラより単離した葉原基形成に関わるROPHAN遺伝子(AS1ホモログ)をカリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーター配列に連結したキメラ遺伝子を作製した。現在シロイヌナズナへ導入して遺伝子の機能解析を行っている。ROPHAN遺伝子のノイバラ各器官別発現解析を行い、棘発生部位である節、節間に加え、葉、花芽での発現を確認した。また、棘が発生する前のノイバラ野生型新芽と棘無し変異体でのROPHAN発現量を比較したところ、棘無し変異体での高い(7倍~8倍)発現を確認し、棘形質との関連が示唆された。バラ交雑集団の両親からROPHANの対立遺伝子と思われる塩基置換を含んだ2種類の配列を単離し、配列情報を基にdCAPSマーカーを開発して交雑集団のROPHAN遺伝子型を決定した。連鎖解析からROPHAN遺伝子がバラ第3連鎖群の比較的弱い棘密度QTLの近傍に座乗していることを明らかにした。 ノイバラよりClass1 KNOXホモログを単離しRKNと命名した。RKNは棘無し変異体で発現レベルが低い傾向にあった。また、ROPHAN遺伝子と同様の手法によりRKN遺伝子がバラ第3連鎖群の強い棘密度QTL内に座乗していることを示唆するデータを得た。 リンゴ小球型潜在ウイルス(ALSV)がバラに感染すること、病徴を示さないこと、成長に影響を与えないことを明らかにした。ノイバラからカロテノイド生合成系に関わるPDS遺伝子を単離し、ALSVベクターに導入して組換えウイルスPDS-ALSVを作製した。PDS-ALSVをバラに接種し、バラにおけるALSV誘導ジーンサイレンシング系の確立を進めている。 なお、モッコウバラでは正確な棘発生部位同定と十分なF1集団を得ることが困難であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ROPHAN遺伝子解析については予定通り進行している。Class 1 KNOX遺伝子関連の研究も予定通り進みつつあり、特にALSV誘導ジーンサイレンシングがバラで可能なデータが得られたことから、当初計画以上に大きな進展が見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
ノイバラより単離したAS1ホモログROPHAN遺伝子とClass 1 KNOXホモログRKN遺伝子が棘形成に関与するデータが得られつつあることから、本遺伝子群を中心に、バラでの新遺伝子解析系を用いて棘形成との関連を明らかにする。特に、新遺伝子解析系であるALSV誘導ジーンサイレンシング系を確立して新奇バラ創製を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新たなバラ遺伝子解析系ならびに新奇バラ創製に繋がるALSV誘導ジーンサイレンシング系の確立に当該経費を使用する。具体的には、本実験に関わる金粒子等の消耗品に使用する。
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Research Products
(9 results)