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2011 Fiscal Year Research-status Report

花色と花弁の質感の改変を目指した転写因子と花弁特異的プロモーターを用いた分子育種

Research Project

Project/Area Number 23658027
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

白武 勝裕  名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (90303586)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords園芸学 / 育種学 / バイオテクノロジー / 花き / 分子育種 / 花弁特異的プロモーター / 花色改変 / 花弁質感の改変
Research Abstract

本研究では,我々が開発した花弁表皮細胞特異的プロモーター(InMYB1pro)下で,(1)葉緑体形成を誘導する転写因子(GLK)を発現させて「緑色」の花弁の花きを作出することと,(2)花弁の表皮細胞の形を変化させる転写因子(Mixta=MYB)を発現させて花弁の「質感」が変化した花きを作出するための技術の創出を目指している.平成23年度の研究実績は以下である.(1)葉緑体誘導による花弁の緑色化:葉緑体形成を促す転写因子GLKを恒常的発現プロモーター(CaMV35Spro)下につないた発現ベクターを構築し,ボンバードメント法で多様な花き(トルコギキョウ,キク,カーネーションなど)の白色花弁に導入し,花弁細胞が緑色化するかを検定したが,明確に緑色を呈する細胞を見いだせなかった.GLKをInMYB1pro下につないだアグロバクテリウム用形質転換ベクターを構築して,シロイヌナズナを形質転換して花弁が緑色化するかを検定したところ,わずかに緑色を呈する花弁が存在したが,明瞭な緑色を呈する花弁は見いだせなかった.(2)表皮細胞の形状変化による花色と花弁質感の改変:表皮細胞の形状を変化させる転写因子MixtのシロイヌナズナのオルソログAtMYB106をInMYB1pro下でCRES-T法により抑制するベクターを構築し,シロイヌナズナに形質転換したところ,花弁細胞と花弁が収縮した花を着けた個体と,逆に花弁細胞が平坦になった花を着けた個体の両方が得られた.一方で,InMYB1pro下でCRES-T法によりAtMYB16を抑制する形質転換ベクターと,InMYB1pro下でAtMYB16とAtMYB106を過剰発現させる形質転換ベクターを作製し,一部,計画より前倒しでトルコギキョウへの形質転換を開始した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

(1)葉緑体誘導による花弁の緑色化:GLKをCaMV35Spro下につなぎボンバードメント法で多様な花き(トルコギキョウ,キク,カーネーションなど)の白色花弁に導入した場合, またGLKをInMYB1pro下につなぎシロイヌナズナを形質転換した場合,残念ながら共に明瞭な緑色を呈する花弁細胞を見いだせなかった.しかしながら,この結果は申請時に想定したものであり,申請書の計画に従いGLKの過剰発現に加えて葉緑体の分解系遺伝子を抑制することにより解決する.(2)表皮細胞の形状変化による花色と花弁質感の改変:AtMYB106をInMYB1pro下でCRES-T法によりシロイヌナズナで抑制した時に,花弁細胞と花弁が収縮した花を着けた個体と,逆に花弁細胞が平坦になった花を着けた個体の両方が得られた結果は大きな進展である.そこで,これを実用花きでも検証するために,計画を前倒ししてトルコギキョウへの形質転換を開始した点も計画以上の成果だと言える.AtMYB16の抑制形質転換ベクターと, AtMYB16とAtMYB106を過剰発現させる形質転換ベクターの作製が遅れ,それにともないシロイヌナズナへの形質転換が遅れているため,現在,鋭意実験を進めている.

Strategy for Future Research Activity

(1)葉緑体誘導による花弁の緑色化:平成23年度の研究により,GLK単独では花弁細胞を緑色化できない可能性が高まったため,申請書の計画に従いGLKの過剰発現に加えて,葉緑体分解系の遺伝子の発現抑制を試みる.具体的には,葉緑体分解系の遺伝子Chlorophyllase(Chlase),Pheophytinase(PPH)をRNAi法により抑制する.平成23年度と同様の方法で,これら遺伝子のRNAiカセットとGLKを多様な花きの細胞やシロイヌナズナに共導入して,花弁細胞の緑色化を検定する.また,期間内に計画を達成するために,同様のベクターを用いて,アサガオとトルコギキョウの形質転換を進める.(2)表皮細胞の形状変化による花色と花弁質感の改変:AtMYB106の発現抑制については計画の前倒しで,既にトルコギキョウへの形質転換を開始しており,これを進める.AtMYB16の抑制と,AtMYB16とAtMYB106の過剰発現については,遅れているシロイヌナズナへの形質転換を進めると共に,一部,それと平行してトルコギキョウへの形質転換を進め,期間内での計画達成を目指す.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成23年度の研究において,AtMYB16の抑制形質転換ベクターとAtMYB16とAtMYB106を過剰発現させる形質転換ベクターの作製が遅れ,それにともないシロイヌナズナへの形質転換が遅れたため,特にその研究遂行に関わる経費が残金として生じた.これらの遅れている実験は,当初からの平成24年度の計画に加えて実施するため,平成23年度の残金を平成24年度の予算に乗じて請求する.

  • Research Products

    (5 results)

All 2011 Other

All Presentation (4 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] 花弁特異的プロモーターの開発 -アサガオ由来InMYB1プロモーターの解析2011

    • Author(s)
      白武勝裕,森本玲奈,猫橋茉莉,廣瀬真名,星野敦,森田裕将,飯田滋
    • Organizer
      第29回 日本植物細胞分子生物学会
    • Place of Presentation
      九州大学(福岡県)
    • Year and Date
      2011年9月6~8日
  • [Presentation] 花弁特異的InMYB1プロモーターの花弁特異的発現誘導機構の解明 第1報:LFYの機能抑制によりがく化させた花弁における作動2011

    • Author(s)
      東未来,猫橋茉莉,森本玲奈,廣瀬真名,松本省吾,光田展隆,高木優,大島良美,白武勝裕
    • Organizer
      平成23年度 園芸学会 秋季大会
    • Place of Presentation
      岡山大学(岡山県)
    • Year and Date
      2011年9月24~26日
  • [Presentation] 花弁特異的プロモーターの開発 ―アサガオ由来InMYB1プロモーターの解析―2011

    • Author(s)
      猫橋茉莉,森本玲奈,廣瀬真名,松本省吾,星野敦,森田裕将,飯田滋,白武勝裕
    • Organizer
      平成23年度 園芸学会 秋季大会
    • Place of Presentation
      岡山大学(岡山県)
    • Year and Date
      2011年9月24~26日
  • [Presentation] Application of integrated omics analysis on horticultural crop2011

    • Author(s)
      Katsuhiro Shiratake 他16名
    • Organizer
      Cold Spring Harbor Laboratory Meeting: Plant Genomes & Biotechnology: From Genes to Networks
    • Place of Presentation
      Cold Spring Harbor Laboratory (Cold Spring Harbor,米国)
    • Year and Date
      2011.11.30-12.3
  • [Remarks] 研究内容に関するwebページ

    • URL

      http://www.agr.nagoya-u.ac.jp/~hort/shira/flower/flower.html

URL: 

Published: 2013-07-10  

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