2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23658028
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 仁志 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (20220014)
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Keywords | 単為結果 / pat-2 遺伝子 / トマト / リシーケンス |
Research Abstract |
単為結果は受精によらず、着果および果実の肥大が起こる現象である。単為結果性を品種に持たせることは、果実の品質向上と安定な栽培に重要である。単為結果性をトマト品種に付与できれば、オーキシンによるホルモン処理や花粉媒介昆虫を利用する必要もなく、大いに省力化と経費削減につながる。トマト品種には遺伝的に単為結果性を示す品種が古くから知られている。これまでに、栽培種との交配により、これらの遺伝形質(例えばpat-2遺伝子)を栽培品種に導入する試みが行われ、その結果、単為結果性トマト‘ルネッサンス’のような品種が育種されてきた。本研究課題では、トマトに単為結果性を付与する原因遺伝子pat-2の分子的実体を明らかにすることで、単為結果性の分子機構の解明を目指した。 非単為結果性トマト‘moneymaker’とpat-2遺伝子を持つ単為結果性トマト‘LS935’の未受粉子房で、それぞれ特異的に発現している遺伝子をマイクロアレイ法とともにゲノムDNAをPCR法により検索した結果、‘LS935’や品種ルネッサンスに保存されている9種類の遺伝子を同定した。これらの遺伝子は目的遺伝子のPat-2の近傍に位置しているという仮定の下に、これらの遺伝子のcDNAを単離した。さらにゲノム遺伝子の単離を試み、スクリーニング中であった。これら遺伝子の子房での発現を確認すると共に、‘LS935’に‘moneymaker’をバッククロスし、これら遺伝子の遺伝と単為結果性の関連を確認した。これらの結果から、原因遺伝子Pat-2の単離が期待できる状況であったため、‘LS935’と‘moneymaker’をリシーケンスしたが、研究年度の最後に競争グループからPat-2遺伝子の単離が報告された。そこで今度はその遺伝子の解析をする段階になった。
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