2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23658050
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小林 淳 山口大学, 農学部, 教授 (70242930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門野 敬子 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫科学研究領域, ユニット長 (40355722)
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Keywords | Bombyx mandarina / pupal duration / DNA marker / bet hedging |
Research Abstract |
1. 雑種系統とカイコ(大造)の交雑後代における蛹期間ならびにゲノムDNA解析:雑種系統(#18-11)とカイコ(大造)との正逆交雑F1♀に雑種系統♂を戻し交雑して得られたBC1(533個体)のうち,24年度には36個体のゲノムDNAをPCR分析したが,25年度はさらに34個体の分析を行い,24年度に構築した蛹発育調節に関する遺伝的モデルの検証と修正を行った.また,BC2の蛹期間を調べたところ,蛹期間30日未満のBC1雌雄よりも30日以上のBC1雌雄に由来するBC2において,より多くの個体の蛹期間が長期にばらつく傾向が認められ,一部(80/382)個体のゲノム分析を行ったところ,修正した遺伝的モデルに対する明白な例外は認められなかった. 2. 蛹発育調節に関する遺伝的モデルの構築:24年度にPCR分析の結果に基づいて,相加的効果を有する同義遺伝子6個(第5,11,12,15,17および22染色体)のうち3個以上が雑種ホモ接合であるときに蛹期間が顕著にばらつき,雄に関しては第11染色体の同義遺伝子の雑種ホモ接合が蛹期間の長期化に必須であるという遺伝的モデルを考案したが,25年度のPCR分析の結果,モデルに少なくとも3個の同義遺伝子(第18,20および25染色体)を追加する修正が必要となった.さらに,蛹の期間の長短と染色体ホモ率の相関性から,クワコとカイコの雑種における蛹期間が,おそらく9個以上の微動遺伝子の組み合わせにより支配されている量的形質であり,関与する染色体が♂♀で一部異なる可能性が示唆された.
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