2012 Fiscal Year Research-status Report
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23658054
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
野田 博明 独立行政法人農業生物資源研究所, その他部局等, 特任上級研究員 (40343991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 由記子 独立行政法人農業生物資源研究所, その他部局等, 主任研究員 (80414944)
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Keywords | ABCトランスポーター / トビイロウンカ / 殺虫剤抵抗性 / 薬剤耐性 |
Research Abstract |
殺虫剤抵抗性の機構に関しては、これまで大きな二つの要因が考えられてきた。標的分子の変異によって薬剤に対する感受性が低下することと薬剤の分解酵素活性の増大により薬剤代謝が促進されることの二つである。その他の機構、例えばほ乳類や微生物で知られている薬剤排出機構に関しては、ほとんど知られていない。そこで、トビイロウンカを対象とし、薬剤排出を担うと考えられるABCトランスポーターを見つけ出すことを目的としている。 昨年度は、多くのABCトランスポーター遺伝子のなかから、薬剤排出を担う可能性のあるABCトランスポーター遺伝子2種(コードするアミノ酸数、1,522と1,396)の全長をクロ―ニングした。今年度は、これとは別に、殺虫剤を処理した際に、発現量が高まるABCトランスポーター遺伝子を見いだすことができた。10種類以上の薬剤をウンカに処理し、それぞれマイクロアレイ(アジレント製トビイロウンカアレイ)で、発現遺伝子を網羅的に解析した。そして、どの薬剤処理区からも同一の遺伝子の発現が高まることを明らかにし、この遺伝子の全長配列を決定した。昨年決定した2つの遺伝子と同様に、ABCドメインを二つずつ持ち、それぞれWaker A, Waker B, C-motifを有していた。また、12箇所の膜貫通領域が推定された。これらの3遺伝子を発現ベクター(pIZT/V5-His)に組込み、Sf9細胞に導入した。ベクターに組み込まれているGFPのシグナルを確認できたので、現在、抗生物質ゼオシンで細胞を選抜している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
候補となるなるABCトランスポーター遺伝子2種に加えて、薬剤処理によって発現が誘導されるABCトランスポーターを発見し、それら3種の遺伝子の配列解析などを終了した。現在細胞に発現させている。
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Strategy for Future Research Activity |
ABCトランスポーター遺伝子3種をベクターに組み込み、昆虫細胞で発現させる。そして、薬剤処理による変化を観察する。これにより、これら遺伝子産物が薬剤排出に係わるか否かを明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞培養用培地や遺伝子塩基配列解析の試薬などを購入する費用を要する。また、学会などで発表する旅費を要する。さらに、遺伝子配列解析のための研究支援者を短期間雇用する。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Imidacloprid resistance in the brown planthopper: Genes for nAChR subunits and P450 enzymes.2012
Author(s)
Noda H, Nakamura Y, Kawai S, Koizumi Y, Suetsugu Y, Kozaki T, Daimon T, Shinoda T, Yamamoto K, Sanada S, Matsumura M, Nakahira K, Ozoe Y
Organizer
XXIV International Congress of Entomology
Place of Presentation
Daegu, 韓国
Year and Date
20120819-20120828
Invited
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[Presentation] Progress in genome sequencing of the brown planthopper, Nilaparvata lugens.2012
Author(s)
Suetsugu Y, Daimon T, Jouraku A, Kobayashi T, Nakamura Y, Kuwazaki S, Tanaka Y, Tanaka H, Shiotsuki T, Shinoda T, Yamamoto K, Noda H
Organizer
Arthropod Genomics 2012
Place of Presentation
Kansas City, アメリカ合衆国
Year and Date
20120530-20120602
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