2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23658069
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北本 勝ひこ 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (20272437)
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Keywords | オートファジー / 麹菌 / 糸状菌 |
Research Abstract |
麹菌などの糸状菌は、多細胞からなる菌糸を形成し、環境に応答して分生子形成など形態分化をする。麹菌ゲノム情報を利用して麹菌の様々なオートファジー関連遺伝子を単離し、その機能解析をすることにより、糸状菌特異的なオートファジーの役割を明らかにすることを目的とした。 麹菌からオートファジーの各ステップごとの遺伝子の単離と破壊株による機能解析を行った。初期ステップ(誘導)としてAoatg1とAoatg13を、中期ステップ(オートファゴソーム形成)としてAoatg4、後期ステップ(液胞内での分解)としてAoatg15遺伝子の単離と破壊株の作成を行った。 酵母でcvt経路で運ばれるアミノペプチダーゼ(Ape1)、α-マンノシダーゼ(Ams1)の麹菌ホモログ遺伝子(Aoape, Aoams11)を単離し、麹菌においてもcvt経路の存在を明らかにした。AoApe1をbaitとして酵母ツーハイブリットスクリーニングを行い、麹菌でのcvt経路のレセプターの探索を試みたところ、候補遺伝子が複数えられたが、レセプター遺伝子として確定できるものは取得できなかった。 酵母での選択的オートファジーの認識アダプターであるATG11の麹菌ホモログAoatg11遺伝子を単離し、機能解析を行った。Aoatg11破壊株ではマイトファジーやペキソファジーで液胞への取り込み遅延が認められ、選択的オートファジーに関与していることを明らかにした。さらに、Pichia 酵母でペキソファジーに関与しているがS. cerevisiaeではオートファジーに関与していないといわれているATG26のホモログAoatg26遺伝子の機能解析を行い、本遺伝子が糸状菌ではオートファジーで重要な働きをしていることを発見した。
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