2011 Fiscal Year Annual Research Report
感染性真菌に対抗できる新しい抗菌デザインタンパク質の創製
Project/Area Number |
23658074
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
植田 充美 京都大学, 農学研究科, 教授 (90183201)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | 抗真菌薬 / 抗菌ペプチド / デザインタンパク質医薬 / 感染症 / 真菌症 / Candida albicans / ペプチドライブラリー / プロテアーゼ感受性 |
Research Abstract |
既存の抗真菌薬が抱えている課題の改善策を提供する新規作用機序を有するタンパク質を創製し、併せて特異性を活用した高感度真菌症早期診断システム構築もめざした。デザインタンパク質は、(1)認識領域:真菌細胞を特異的に認識する分子からなる(2)抗菌ペプチド:ラクトフェリシンなどのペプチドを基本とする(3)リンカー:真菌が分泌する酵素などにより特異的に切断される配列からなる(4)抑制ペプチド:既知のマガイニンなどの抑制配列を基本とした。本タンパク質は、(1)の認識領域より特異的に標的真菌に接着し、真菌が増殖時に分泌する酵素(酸性プロテアーゼ)で(3)のリンカーが特異的に切断されることで抗菌ペプチドと抑制ペプチドが分離し、抗菌ペプチドが真菌細胞膜に穴を開け、細胞内成分を漏出させ死滅させる物理的な作用機序を有する。具体的には、「抗菌ペプチドでの真菌Candidaへの抗菌作用」、「抑制ペプチドを結合させることで病巣以外では抗菌活性は抑えられること」、「Candida特異的分泌酸性プロテアーゼの種類によってリンカーの配列が異なること」をベースに、リンカー(6~8アミノ酸残基を想定)の最適アミノ酸配列の決定のために、ペプチドライブラリーからハイスループットスクリーニングを行った。種々の組み合わせの検討により有効性の最適化を行い、最適リンカーを決定できた。また、薬効時間を考慮して、プロテアーゼ感受性を抑える修飾方法について検討し、真菌症の代表的な疾患のひとつである主病原真菌Candida albicansに対しての有効性評価を行ったところ、in vitroでのこのデザインタンパク質の有効性を、真菌破壊による吸光度の減少やコロニー形成能を指標にして評価検討を行ったところ、有効であるという結果を得た。
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Research Products
(4 results)