2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23658075
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岸野 重信 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (40432348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比 慎 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (30432347)
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Keywords | CoA |
Research Abstract |
微生物を用いた有機酸や脂肪酸の変換には、エネルギー・補因子を要求する反応が数多く存在する。現在グルコース脱水素酵素やギ酸脱水素酵素等を用いたNAD(P)H再生系は構築されているが、それ以外のエネルギー・補因子再生系は構築されていない。そこで本研究では、有機酸や脂肪酸を用いた変換反応に利用されるエネルギー・補因子としてCoAやFADH2、NAD+などの再生系を構築し、有機酸、脂肪酸変換反応の効率化を目的とした。 CoAの再利用化を目指してモデル反応の探索を行った結果、ある嫌気性細菌が化合物1(不飽和有機酸)をCoAエステル化した後、炭素炭素間二重結合を飽和化し、得られた化合物2のCoAエステル体を加水分解することにより、化合物2(飽和有機酸)へと変換することを見いだした。本反応では、ATPを用いた基質のCoA化が関与することが示唆された。そこでアセチルCoAからCoA転移酵素により化合物1のCoA体と酢酸へ、さらに化合物2のCoA体と酢酸からCoA転移酵素により化合物2とアセチルCoAへと変換する微生物の探索を行い、それぞれを触媒する微生物の取得に成功した。これらの微生物を合わせて用いることにより、CoAトランスフェラーゼを用いたCoA再利用化に成功した。 さらに、本モデル反応における二重結合の飽和化に関わる水素供与体について精査した所、乳酸菌Lactobacillus plantarumのゲノム配列から取得した FADおよびNADHからFADH2を生成すると予想されるタンパク質をコードする遺伝子配列を組込んだ形質転換体の無細胞抽出液を加えることにより、本モデル反応が効率よく進行することを見いだした。以上の結果を利用することにより、CoAの再利用化ならびにNADH再生系を導入することによりFADH2生成の効率化が期待できる。
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