2012 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン構造調節を担う新規メゾスケール複合体の探索と機能解析
Project/Area Number |
23658087
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤山 沙理 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (50447372)
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Keywords | クロマチン構造調節 |
Research Abstract |
本研究はクロマチン構造調節を担う新規メゾスケール (巨大分子量) 複合体群の探索・機能解析を行う事によってメゾスケール複合体群によるクロマチン構造調節機構の存在を証明することを目指すものである。 平成23年度は、主に申請時に研究代表者が見いだしていた新規メゾスケール複合体MERU(mesoscale epigenetic regulatory unit)の形成メカニズム、および作用機序に焦点を当て、研究を行った。具体的には複合体の形成へ影響を与える薬剤の探索を行い、Protein Kinase C (PKC) を活性化するホルボールエステル (TPA) 処理によってMERUの形成量が一過的に増加することが明らかとなった。そこでPKC依存的にリン酸化を受けるMERU構成因子を探索した結果、機能未知タンパク質・CG1737を同定する事に成功した。さらにin vitroにおいてPKCによってCG1737が直接リン酸化を受ける領域も特定した。CG1737の発現を抑制した場合、TPA刺激依存的なMERU形成の増加が起きない事から、CG1737はMERUの形成に必須な因子であることが分かった。また、同条件下では、TPA刺激によってMERUを介して発現上昇するショウジョウバエc-Junホモログ(Jra) 遺伝子の転写、およびc-JunプロモーターへのMERU構成因子のリクルートメント、c-Jun遺伝子近傍の活性化クロマチン構造の形成も観察されなかった。 平成24年度は申請者の休職に伴い研究は実施していない。 本研究によって、CG1737はPKCによりリン酸化を受けメゾスケール複合体MERUの形成を促すbridging因子として働くこと、MERUはPKC刺激下流でクロマチン構造変換を介してc-Jun転写活性化に働く可能性が示唆された。
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