2012 Fiscal Year Annual Research Report
分子作用機序に基づく抗炎症性食成分の混合比ラショナルデザイン
Project/Area Number |
23658119
|
Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
大東 肇 福井県立大学, 生物資源学部, 特任教授 (80026583)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 正和 福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (80315837)
川畑 球一 福井県立大学, 生物資源学部, 助教 (60452645)
|
Keywords | 抗炎症作用 / マクロファージ / 抗炎症化合物 / 相乗作用 / NO産生抑制効果 |
Research Abstract |
慢性炎症は多くの生活習慣病の基盤病態であり、農作物に含まれる抗炎症化合物には各種炎症性疾患の予防軽減効果が期待されるが、その作用は医薬用薬剤に比べて一般に弱い。一方、食品は多様な化合物を含む混合物であり、複数の抗炎症性化合物を含む例も多い。このような複合系では、異なる化合物同士が相乗的効果を示せば、高い効力を発揮すると期待される。そこで本研究では、複数の食由来炎症性化合物を同時摂取する際、最も強力な活性を発揮する理想的な組合せと混合比率に関する合理的手法を確立するべく、RAW264マクロファージによる過剰な一酸化窒素(NO)ラジカル産生系において、複数化合物による相乗的抑制効果を検討した。 フラボノイド、テルペノイド、クマリン類、クルクミノイド等をランダムに組合せて一次選抜を行い、ルテオリン(LUT)とクルクミン(CUR)の組合せ等に相乗的作用を見出した。さらに詳細に検証するため、CURと最も顕著な効果を示したLUTに注目し、類似の作用機序が期待されるフラボン化合物(アピゲニン(API)、クリシン(CHR))と共に、CURとの組合せ効果をIsobologram法で詳細に検討した。その結果、CURに対してLUTは相乗作用を示すものの、CHRは相加作用を、さらにAPIは相殺作用を示すことが判明した。三者はB環のOH基だけが異なるため、LUTのカテコール構造がCURとの相乗作用に必須であり分子作用機序の重要なカギと考えられた。最適濃度の検討結果をもとに、LUT 3μMとCUR3μMにてiNOSタンパク質の誘導抑制効果をWestern解析で評価したところ、顕著な相乗的作用が認められた。さらにLUTとCURをマウスに経口投与に供し、ジニトロフルオロベンゼン誘発耳介浮腫抑制試験を実施したが、培養細胞で得た最適組合せ濃度は経口投与系には適用できず、残念ながら明瞭な結果は得られなかった。
|
Research Products
(22 results)