2013 Fiscal Year Annual Research Report
林内をビデオ撮影しながら歩行することで毎木調査を可能にするシステムの構築
Project/Area Number |
23658129
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
米 康充 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (30467716)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小熊 宏之 独立行政法人国立環境研究所, 環境計測研究センター, 研究員 (10342734)
|
Keywords | 写真測量 / 点群データ / 森林計測 |
Research Abstract |
森林の調査は多くの人や時間が必要であるが、本研究はその困難な森林調査をビデオ撮影により簡便に行うことを目的としたものである。当初は、AR(拡張現実)技術を用いたリアルタイム計測を目指したが、森林内ではトラッキングが困難であることから写真測量を後処理で実施する方法に方針転換し実験を行った。計測には森林内に座標の基準となる点が3点以上必要であるが、実験では森林内に測量用ポールを2本設置し、1本では地面座標とポールの先端座標、もう1本では地面座標の計3点の座標をコンパス測量で計測した。次に小型のデジタルシネマカメラを用いてその3点が映るように手持ちで撮影を行った。40m×10mの森林を撮影するのにかかった時間は約90秒であった。この後、動画をPCに転送し写真測量解析を行った。作業では先ず計測した3点の画像に手動で座標値を設定した。次に空中三角測量により動画各フレームの撮影時のカメラ位置・方向を算出し、フレーム間で同一物体を画像相関法によって探索、三角測量を行うことでその物体の位置を自動計測した。これを画像の各ピクセルに適用することで、森林内の樹木や地表面の情報を精細な3次元点群データとして取得することができた。樹木の点群データから胸高位置の上下50cmのデータを切出し円柱で近似することで、樹木の幹の直径と位置を自動計測した。それぞれの誤差は+0.41±0.88cm、0.06±0.07mとなり、非常に高精度に計測することができることが明らかとなった。また以上の後処理は1時間程度で処理することが可能であった。以上のことから、本研究の手法により短時間かつ高精度な森林計測が可能になることが明らかとなった。また、この方法では中間成果として高密度な点群データも得られることから、これまで森林レーザスキャナ研究で得られた点群処理の知見も利用することが可能であり適用範囲は極めて大きい。
|