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2011 Fiscal Year Research-status Report

超効率バイオアッセイシステム開発のためのインクジェット技術の確立

Research Project

Project/Area Number 23658138
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

江前 敏晴  東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (40203640)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 五十嵐 圭日子  東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (80345181)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywordsインクジェット / 細胞 / バイオアッセイ / 大腸菌 / ラテックス / アガロース / バイオエタノール
Research Abstract

超効率バイオアッセイシステム開発を目的としたインクジェット技術の確立を目指す研究という位置づけで実験を開始した。実験は、微小液量の吐出制御を自由に行うことができるインクジェット技術を確立することと、シート形状培地を使うことが初期段階の目標であった。インクジェット装置は大口径のノズルを持つ装置の使用を予定していたが、50μm程度の小さいノズル径でありながら圧力、液滴数などの制御が容易で統合的な制御が行える試験用インクジェット装置を使うことにした。細胞のモデルとして、直径約1μmのポリスチレンアクリルラテックスの分散粒子(26.5 mass%濃度の中空タイプ粒子)を使用した。蒸留水を加えて0.1 mass%濃度に希釈し、スライドガラス及びマイカ表面に、1~3滴の微小液滴を重ねて吐出した。走査型電子顕微鏡による観察では、1滴あたり60~80個のポリスチレン粒子が観察され、個数制御ができた。次に約1μm径大腸菌を吐出する実験を行った。アガロースを主成分とする培地に、トリプトンなどのほか抗生物質を加えることで、滅菌やクリーンベンチを不要とした。プリンタステージに置くために厚さを5 mm程度とし、ヘッド面が培地表面から3 mm程度離れるようにステージ高さを調整した。吐出後24時間経過後の観察ではコロニーが大きくなっており、大腸菌が繁殖したことが示された。ラテックスでも大腸菌分散液であっても、希薄で粘度が低い液体では吐出が安定せず、ノズルの周囲を濡らして液滴が溜まったり、ノズル面に対し垂直方向に飛ばなかったりする現象が見られた。これは、成分として水の割合が多すぎることが原因であり、グリセリンなどの水と相溶性のある高粘度液体を添加することである程度解決するが、ポリスチレンの分散安定性や、大腸菌が死滅しない濃度に抑えることが必要条件となることもわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

インクジェット吐出の安定状態を保つことが最初の課題であり、それがクリアできたと考えている。

Strategy for Future Research Activity

シート状培地で成長する大腸菌や酵母の観察方法の改善が重要になると考えているが、本研究課題の当初の研究計画には詳述しなかったため、それを補う研究計画の補足を行う予定である。大腸菌や酵母の細胞などを、設計したパターン通りに如何に安定して吐出するか、異なる液体を別のカートリッジに詰めて同一位置に安定して吐出できるか、成長した菌や細胞の成長量をどのように定量化するか、の3点を中心に実験を進める予定である。インクジェットノズルから微小水滴が安定して放出され、ノズル面から垂直に飛翔するためには、液体に適度な表面張力と粘度を与える必要がある。通常のインクジェット用インクと同様にグリセンリン又はポリエチレングリコールの添加がこの目的のために有効と考えられる。しかし、菌や酵母が死滅しないことが必要条件であり、過度のせんだん力を加えないことが最重要と考えられる。吐出の際のピエゾ素子変形電圧を制御し、大口径ノズルの使用も検討する予定である。培地はアガロース系のゲル培地とセルロース繊維を使う紙培地の両方を検討する。培地上に含有成分の異なる培地成分領域を作るために疎水性バリアを設ける必要があるが、どのようにこれを達成できるかを検討する。成長量の観察では試験用インクジェットプリンタのステージ制御とCCDカメラ撮影を連動させるプログラムを組み、撮影画像からの成長量の読み取りをどのように行うかを考えることにする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

大きな装置類の購入はなく、物品は試薬類、インクジェットカートリッジなどの購入を予定している。試行錯誤の実験が多くなるため、実験補助者である大学院生への謝金の割合が大きくなる。さらに結果をアジア地域の学会で発表する計画であり、そのための旅費に当てる。

  • Research Products

    (4 results)

All 2012 2011 Other

All Presentation (3 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] 印刷エレクトロニクス技術によるペーパーキャピラリーセンサーの開発2012

    • Author(s)
      前島健人, 江前敏晴, 磯貝明, 鈴木 孝治, チッテリオ ダニエル
    • Organizer
      日本化学会第92春季年会
    • Place of Presentation
      慶應義塾大学日吉キャンパス(神奈川県)
    • Year and Date
      2012年3月25日
  • [Presentation] All-inkjet-printed fabrication method for "paperfluidic" colorimetric & electrochemical sensing devices2011

    • Author(s)
      Kento Maejima, Toshiharu Enomae, Akira Isogai, Koji Suzuki, Daniel Citterio
    • Organizer
      The 2011Asian Symposium on Printing Technology (2011ASPT)
    • Place of Presentation
      東京ビッグサイト(東京都)
    • Year and Date
      2011年9月19日
  • [Presentation] ろ紙を基板とした健康診断電極チップの全工程インクジェット印刷による作製2011

    • Author(s)
      前島健人, 江前敏晴, 磯貝明, 鈴木 孝治, チッテリオ ダニエル
    • Organizer
      第50回機能紙研究発表講演会
    • Place of Presentation
      高知県立県民文化ホール(高知県)
    • Year and Date
      2011年10月27日
  • [Remarks]

    • URL

      http://www.enomae.com/

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Published: 2013-07-10  

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