2011 Fiscal Year Research-status Report
CCA処理廃材のレーザ誘起ブレークダウン分光法による瞬時識別法の開発
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23658141
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
服部 順昭 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (90115915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 恵介 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (70262227)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | CCA / 保存処理木材 / 薬剤 / 識別 / レーザ誘起分光法 |
Research Abstract |
平成23年度に購入する、従来よりパルス幅が1桁短く、手のひらに乗る程度の大きさの小型YAGレーザと、既存の分光器や光学系を組み合わせた現場で使えるレーザ誘起ブレークダウン分光(LIBS)装置の基本設計を服部が行ったが、前年度までに解決できていない識別法の問題点を優先して下記に示す実験を行った。 気乾状態の廃木材の分析では、As 228.9 nmとCr 267.8 nmの発光を検出することにより識別に成功しているが、湿潤状態にある木材の分析ではスペクトルの強度が低下し、識別に影響する可能性があることが判明しているので、湿潤状態の試験体を作成して、水分とスペクトル強度の関係を調べた。供試レーザは現有のレーザであるQスイッチNd:YAGレーザ(波長1064 nm、パルス幅4 ns)で、照射によって発生したプラズマからの発光を楕円ミラーにより集光し、小型分光器(測定波長範囲190~300 nm、分解能0.15 nm)でスペクトル分析した。その結果、湿潤状態の木材から得られた発光強度の低いスペクトルを正規化すると、信号だけではなくノイズも増幅してしまい、これまでと同じしきい値を用いると非CCA処理木材をCCA処理木材として誤判定してしまう可能性があることが分かった。これまでの実験では、Asのしきい値は「228.9 nmの相対発光強度が27」と設定していたが、正規化によって増幅されるノイズがこの値を超えないのは、C 247.8 nm発光強度が約400以上の場合なので、C 247.8 nm発光強度が400以上のスペクトルを識別に用いることで、誤判定は避けられる。よって、湿潤状態にある木材のCCA処理木材かどうかの識別は、これ以上の強度のスペクトルにより識別すれば問題ないことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に備品として購入した小型レーザを用いてCCA処理材の識別を行う計画であったが、識別時の含水率や汚れが識別に大きく影響する可能性が出てきたことから、そちらを優先して実験を行ったので、(2)と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は既に備品として購入した安価な小型・低出力レーザによる識別の可能性を、前年度までと同じ手法で探る計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
LIBSによる識別実験に必要な消耗品費と成果の国際会議での発表が主な使途となる。
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Research Products
(3 results)