2013 Fiscal Year Annual Research Report
リグノセルロース超分子構造形成におけるリグニン生合成の寄与
Project/Area Number |
23658144
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梅澤 俊明 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (80151926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 武文 徳島大学, その他の研究科, 准教授 (60212148)
鈴木 史朗 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (70437268)
坂本 正弘 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (40303870)
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Keywords | リグニン / 超分子構造 / フェルラ酸 / 代謝工学 / 生合成 / 遺伝子組換え体 / 重水素標識体 / 二量体 |
Research Abstract |
木質バイオリファイナリー・バイオ燃料生産技術基盤確立の本質的なボトルネックは、リグノセルロース超分子構造が未だ十分には解明されていないことに帰結される。本研究は、既に申請者らが独自に作出した、リグニン生合成関連の一連の遺伝子それぞれの発現を個々に制御した組換えイネを用い、各種化学分析、遺伝子発現解析、組織観察をもとに、各遺伝子がリグノセルロース超分子構造形成に果たす役割を解析することを目的としている。 一般にリグノセルロースの酵素糖化性はリグニン量と逆相関を示すことが知られているが、我々は既に、イネ科植物ではこの逆相関が見られない場合があることを示し、この原因のひとつとして、フェルラ酸二量体構造の関与の可能性を指摘した。そこで、昨年度に引き続き本年度は、リグノセルロース超分子構造構築におけるケイ皮酸類特にフェルラ酸二量体の寄与について検討した。すなわち、フェルラ酸二量体構造の精緻な解析に注力するため、一連のフェルラ酸二量体について、非標識標品と重水素標識標品を合成した。その結果、フェルラ酸二量体のうちには、かなり不安定で容易に異性化するものがあることが示され、異性化を抑えるための誘導体化条件について検討した。ついで、高速液体クロマトグラフ質量分析装置を用いた安定同位体希釈法による精緻な定量系を構築し、大型イネ科植物の解析に適用した。その結果、フェルラ二量体類は微量であり、その酵素糖化性に及ぼす影響は限定的であることが示唆された。
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Research Products
(7 results)