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2011 Fiscal Year Research-status Report

DNAメチル化パターンを利用した新たな魚類育種法の開発

Research Project

Project/Area Number 23658156
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

中嶋 正道  東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20192221)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
KeywordsDNAメチル化 / 遺伝育種 / グッピー / Hsp70 / 成長ホルモン / エピジェネティックス / メチル化パターン
Research Abstract

平成23年度はゲノム中のDNAメチル化量の定量、と成長ホルモン(GH)遺伝子とインシュリン様成長因子I(IGF-I)のクローニングと系統間比較を行った。 DNAメチル化量の定量では、抽出したDNAを二つに分け一方をバイサルファイト法により非メチル化シトシンをウラシルに変換し、もう一方はそのままとし、それぞれを制限酵素処理した後、アダプターを接続し、PCRにより増幅した。さらにメチル化感受性制限酵素で切断し、メチル化感受性制限酵素用アダプターを接続する。アダプター配列+αのプライマーを用い選択的PCRを行った後、電気泳動を行う。電気泳動後バンドパターンを比較しバンド共有度からメチル化の量を定量する。バイサルファイト処理しないDNAはメチル化部位、非メチル化部位ともに切断されるが、バイサルファイト処理されたDNAはメチル化部位のみが切断される。共通バンドの量はDNA中のメチル化部位の相対量を表すことになる。この手法を用い系統間、組織間でのDNAメチル化パターンの量や差異を明らかにする予定であった。しかし、平成23年度は震災の影響でシーケンサーが代わったことなどから、現在のところ安定した結果が得られていない。平成24年度に再度同様の分析を試み、安定した結果を得られるようにしたい。 GHの系統間比較では両遺伝子ともにF系統とS系統間で配列変異が観察された。IGH-I遺伝子もF系統とS系統においてクローニングされ、系統間比較を行ったが、個体差は観察されたものの系統差に由来する際は観察されなかった。GHとIGF-Iがクローニングされたことから、今後遺伝子領域でのメチル化パターンの比較が可能となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

震災の影響で研究室の機器類が復旧したのが9月以降であったことなどから、全体的に遅れ気味である。特に、DNAメチル化量の定量化に関しては安定した結果が得られておらず、達成度が低いと言わざるを得ない。原因は新しいシーケンサーを用いたフラグメント解析を習得するのに十分な時間が取れていなかったことが挙げられる。平成24年度にも同様の分析を試み安定した成果を得られるようにしたいと考えている。 一方で平成24年度に計画していたGHやIGF-I遺伝子の系統間での配列比較が平成23年度中にかなり順調に進んだ。当研究室でクローズドコロニーとして維持している大型のF系統と小型のS系統間で両遺伝子をクローニングし、エクソン領域と一部イントロン領域の配列比較を行うことができた。こちらに関しては当初の計画以上に進展しているといえる。 全体として概ね計画通り順調に進展しているといえると考える。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度は以下の四点に取り組む予定である。1)DNAメチル化量の定量:新しい機器に不慣れであったことから安定した結果が得られてこなかったが、今年度同様の分析を再度試み安定した結果を得られるようにしたい。2)GH、IGF-I、HSP70におけるメチル化パターンの系統間比較:GH、IGF-Iについては平成23年度に塩基配列の系統間比較を行っている。HSP70についても同様に系統間の配列比較を行う予定である。また、5’側上流の調節領域のクローニングを行い、この領域におけるメチル化パターンの比較を行う。3)非致死高水温処理することにより高温耐性が得られることが様々な生物で報告されている。実験魚であるグッピーにおいて同様の実験を行い、高温耐性が得られるかどうかの確認を行う。また、その際にメチル化パターンなどエピジェネティックな変化が生じているかどうかの確認を行う。4)平成23年度に得られた成果を順次報文として発表して行く。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度の研究費は主に消耗品に用いる予定である。消耗品としてはDNAシーケンス関連試薬、PCR関連試薬、バイサルファイト処理関連試薬、プライマー合成費、ピペットチップ、プラスチックチューブ等を予定している。旅費としてサンプル採集と研究成果発表を予定している。サンプル採集は沖縄の河川における野生化グッピーの採集で、研究成果発表は平成24年9月に山口県で開催される日本水産学会秋季大会を予定している。

  • Research Products

    (5 results)

All 2012 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] 水産生物における遺伝的能力評価に基づいた選抜育種2012

    • Author(s)
      中嶋正道、大日方俊介
    • Journal Title

      水産育種

      Volume: 41 Pages: 97-103

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] グッピーにおけるIGF-I遺伝子のクローニングと変異の検出

    • Author(s)
      畠葉子、中嶋登代子、酒井則良、中嶋正道
    • Organizer
      平成24年度日本水産学会春季大会
    • Place of Presentation
      東京海洋大学(東京都港区)
    • Year and Date
      平成24年3月
  • [Presentation] グッピーにおける非致死温度高温処理による高温体制の獲得

    • Author(s)
      望月健彦、中嶋登代子、酒井則良、中嶋正道
    • Organizer
      平成23年度日本水産学会秋季大会
    • Place of Presentation
      長崎大学(長崎県長崎市)
    • Year and Date
      平成23年9月
  • [Presentation] グッピーにおけるコブラ繁茂用の定量化と遺伝様式

    • Author(s)
      田千代悠太郎、中嶋登代子、中嶋正道
    • Organizer
      日本動物遺伝育種学会第12回大会
    • Place of Presentation
      広島大学(広島県東広島市)
    • Year and Date
      平成23年11月
  • [Presentation] 大日方駿介、中嶋登代子、鈴木啓一、中嶋正道

    • Author(s)
      BLUP法を用いた魚類育種の可能性の検討
    • Organizer
      日本水産増殖学会第10回大会
    • Place of Presentation
      三重大学(三重県津市)
    • Year and Date
      平成23年10月

URL: 

Published: 2013-07-10  

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