2013 Fiscal Year Annual Research Report
DNAメチル化パターンを利用した新たな魚類育種法の開発
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23658156
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中嶋 正道 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20192221)
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Keywords | メチル化パターン / 成長ホルモン遺伝子 / 体長 / 餌料 / 近親交配 |
Research Abstract |
本年度は以下の成果が得られた。 1)前年度にクローニングされた成長ホルモン遺伝子の上流域においてメチル化パターンの解析を行い、メチル化パターンの変異と体調の関連を調べた。パターンごとの体長比較を行ったが、明確な差異は認められなかった。また、成長ホルモン遺伝子内の変異と体長との関連も調べたが関連は認められなかった。 2)グッピーにおいて兄妹交配を行い環境適応能力とメチル化パターンの変化を調べた。兄妹交配は4代目まで得られ、近郊係数の上昇に伴う環境適応能力の低下が観察され、親魚間の遺伝的類似の上昇が、その仔魚の環境適応能力に大きく影響しており、遺伝的に類似した新魚の子ほど環境適応能力が低かった。しかし、各世代間でメチル化パターンの比較を行ったが差は観察されなかった。 3)マウスにおいてメチル化パターンに変化をもたらすとされる成分を含む餌料をグッピー用に作成し、グッピーに対しての投餌実験を行った。投餌は雌親に対して行い、生まれた仔魚の体長を指標とし、成長(60日目体長、180日目体長)と成長率(60日目から180日目)の測定を行った。餌は組成の違いによりMS、HS、3SZMの3種類作成した。いずれの実験区でも成長において明確な差異は観察されなかった。 本年度の実験では雌の妊娠時期における餌料に含まれる物質のメチル化への影響を検討したが、成長過程も含めた生活史全般での餌料の影響も考慮する必要があると考えられる。また、魚類は環境水などからも影響を受けることから、環境水が及ぼす影響についても検討する必要がある。
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Research Products
(4 results)