2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23658166
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
中村 將 名桜大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (10101734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 俊朗 帝京科学大学, 生命環境学部, 教授 (30238331)
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Keywords | ティラピア / 高水温 / 不妊化 / 生殖細胞 / 体細胞 / 卵巣 / 精巣 / 生殖腺 |
Research Abstract |
前年度と同様にふ化後3日のモザンビーク・ティラピア(Sarotherodon mossambicus)稚魚を50日間高温(37±11℃)により飼育し、その後、通常の温度(25-32℃)で1年以上飼育した。本年度は、この不妊化した雄の生殖特性を論文としてまとめるために詳細な観察を行なった。精巣を構成する体細胞で性ホルモンを産生するライデッヒ細胞とセルトリ細胞を微細構造学的に観察した。ライデッヒ細胞は間質部位に細胞集塊として認められた。細胞質には小管状のクリステが発達したミトコンドリア、および発達した小胞体が認められた。アロマターゼを除くステロイド合成酵素の抗体での免疫組織化学的観察により強い反応が見られた。これらのことから、性ホルモンの産生が活発であることがうかがわれた。雄性ホルモンであるテストステロンおよび11-ケトテストステロンの血中濃度を測定した結果においても、常温飼育した正常な成熟雄と同じ高い値を示した。このことから生殖細胞を全く欠くにも関わらず性ホルモンの合成・分泌が活発行なわれていることが明らかとなった。また、輸精管を裏打ちするセルトリ細胞の内腔に面する側には多数の薄いひだが発達し内腔に向かって液状物質(精漿)を分泌する像が観察された。不妊化雄はこの精漿により受精を試みるが精子が含まれていないために受精しないことが明らかとなった。以上のことからモザンピーク・ティラピアにおいても雌雄共に高水温飼育により完全に不妊化することが明らかになった。特に不妊化雄は正常に性行動を行ない常温飼育の正常雌と産卵するが、卵は全て死滅することを明らかにすることができた。不妊化した雄を自然界に放流することで野生化したティラピアを激減させる技術を開発することが出来た。これらの高水温飼育による不妊化技術開発により本年度特許を取得した(特願2010-21552、魚類の飼育方法)。
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Research Products
(3 results)