2011 Fiscal Year Research-status Report
サケ未利用資源の卵巣外皮からの成長促進ペプチドの探索
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23658167
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
森山 俊介 北里大学, 海洋生命科学部, 教授 (50222352)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | サケ / 卵巣外皮 / 成長促進ペプチド / インスリン様成長因子 |
Research Abstract |
サケの卵はイクラや筋子として商品価値は極めて高いが、イクラを採取した後に排出される卵巣外皮は機能性や有効活用法が殆ど見出されていないため廃棄処分されている。一方、最近の研究により、卵巣外皮の粗抽出物に魚の成長を促進する因子の存在を示唆する結果を得た。この研究成果に基づいて、アセトン処理した卵巣外皮を1N塩酸アセトン、次いで抽出残渣を80%アセトン溶液で、順次、抽出し、抽出物をアセトン沈殿法により回収した。80%アセトン抽出物をSuperdex75カラムを用いたゲル濾過クロマトグラフィーに付して分画し、そのうち、フラクション2にニジマス肝臓のインスリン様成長因子の発現を増加させるペプチド群が存在することがわかった。そこで、フラクション2を逆相ODS-120Tカラムを用いた高性能液体クロマトグラフィーに付して精製した。その結果、分子量10、14および18 kDaのペプチドおよびタンパク質が得られた。現在、これらのペプチドおよびタンパク質のアミノ酸配列を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イクラを採取した後に排出されるサケ卵巣外皮の80%アセトン抽出物をゲル濾過および高性能液体クロマトグラフィーで分画・精製し、ニジマス肝臓のインスリン様成長因子の発現を増加させるペプチド・タンパク質群を単離した。現在、これらのアミノ酸配列の解析を行っている。このように、本研究はおおむね研究計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度、アセトン処理したサケ卵巣外皮から調製した80%アセトン抽出物から、魚の成長促進において重要な機能を担う肝臓のインスリン様成長因子の発現を増加させると予想されるペプチドおよびタンパク質群を単離した。今後、単離したペプチドおよびタンパク質の全一次構造を部分アミノ酸配列の情報に基づいて、cDNAのクローニングにより決定する。さらに、ペプチドおよびタンパク質の肝臓のインスリン様成長因子および脳下垂体の成長ホルモンの発現に及ぼす効果を明らかにする。また、ペプチドおよびタンパク質を魚に反復投与して、成長促進効果を検証する。以上の通り、卵巣外皮由来のペプチドおよびタンパク質群の魚の成長の調節機構に及ぼす効果に関する基礎的知見を集積する。さらに得られた成果に基づいて、卵巣外皮由来を有効利用することによる増養殖対象魚の効率的な増養殖技術の開発を図る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、1)昨年度の研究成果に基づいて、卵巣外皮由来の成長促進ペプチド群を単離して、部分構造解析を行う。次いで、アミノ酸配列の情報に基づいて、cDNAのクローニングにより全一次構造を決定する。2)精製した成長促進ペプチド群の肝臓のインスリン様成長因子および脳下垂体の成長ホルモンの発現に及ぼす効果を検討する。3)脳下垂体および肝臓系の成長促進関連ホルモンの発現増加活性を有するペプチドを魚に反復投与し、成長促進効果を検討する。以上のように平成24年度の主な研究費は、ペプチド群の単離、構造決定およびcDNAのクローニングに用いるキットと試薬などの消耗品類である。また、関連する研究の情報を収集するための旅費に使用する。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Effects of growth hormone on the salmon pituitary proteome2012
Author(s)
Kurata Y, Kimura Y, Yamanaka Y, Ishikawa A, Okamoto H, Masaoka T, Nagoya H, Araki K, Moriyama S, Hirano H, Mori T
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Journal Title
J Proteomics
Volume: 75
Pages: 1718-1731
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Physiological and molecular endocrine changes in maturing wild sockeye salmon, Oncorhynchus nerka, during ocean and river migration2012
Author(s)
Flores AM, Shrimpton JM, Patterson DA, Hills JA, Cooke SJ, Yada T, Moriyama S, Hinch SG, Farrell AP
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Journal Title
J Comp Physiol B
Volume: 182
Pages: 77-90
DOI
Peer Reviewed
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