2011 Fiscal Year Research-status Report
魚類のタウリン合成酵素の単離ならびに浸透圧による制御機構の解明
Project/Area Number |
23658176
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 秀一 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (80154053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 秀裕 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (20314635)
芳賀 穣 東京海洋大学, 海洋科学部, 准教授 (00432063)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 合成酵素 / タウリン / 魚類 / 塩分 |
Research Abstract |
タウリン合成酵素の中から、魚類のタウリン合成において最も重要と考えられるシスタチオニン脱炭酸酵素をクローニングするため、既報のシスタチオニン脱炭酸酵素の塩基配列のうち、種の違いを超えて高度に配列が保存されている領域についてdegenerateなプライマーを設計して、各種の温度条件でPCRを行った。設計したプライマーの有効性を検討するため、マダイおよびブリの鰓、心臓、腸、幽門垂、肝臓、筋肉、脳、ひ臓、腎臓などからmRNAを定法により抽出し、cDNA合成キットを用いてcDNAを調整した。設計したプライマーによりPCRを行った結果、マダイのシスタチオニン脱炭酸酵素に相当するPCR産物と推定されるサイズのバンドを得ることが出来た。この塩基配列を基にしてRACE法によりマダイのシスタチオニン脱炭酸酵素の部分配列を決定した。また、上述のプライマーを参考にして、マダイとブリの各体組織からシスタチオニン脱炭酸酵素の発現解析を行った。その結果、マダイでは腸や幽門垂、ひ臓に強い発現が見られ、ブリでは腎臓、腸、幽門垂に強く発現することが明らかとなった。また、本プライマーによりヒラメ肝臓のシスタチオニン脱炭酸酵素の発現を解析することが可能であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全長決定には至らなかったが、発現解析に必要なプライマーの設計は完了しており、ヒラメやブリでも発現解析が可能であることが明らかとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
広塩性を示すヒラメ、ニジマス、スズキなどについて各種体組織中の発現パターンを観察する。また、タウリン含量のの少ない試験飼料を作成して、一定期間給餌することにより、タウリン合成酵素の発言が変動するか否かを検討する。また、塩分の異なる飼育水を人為的に調節し、その飼育水中で一定期間飼育することにより発言応答を調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
日本水産学会で成果発表を行うための旅費を計上した。それ以外は物品費として使用する予定である。
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