2012 Fiscal Year Annual Research Report
キャピラリー電気泳動デバイスを用いた作物栄養診断用デバイス
Project/Area Number |
23658206
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥居 徹 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (60172227)
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Keywords | 静電気 / 搬送 / 分注 / 混合 / 液滴 / 誘電泳動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、植物工場における作物のヘルスケアー管理として、作物に含まれるビタミン類の分析をリアルタイムで行うことを目的として、キャピラリー電気泳動装置とデジタルマイクロフルイディクデバイスを組み合わせたLab on a Chipデバイスの開発を目指すことである。分析対象として水溶性サンプルと油溶性サンプルの2種類を想定した実験を行った。 このため、液滴を囲む液相には油性材料にも水溶性材料にも親和性のない材料としてフロリナートを用いた。フロリナートは比重が1.8前後と大きいため、油性材料および水性材料の液滴ともに浮いてしまう。これを電気的に搬送するためには、電極を液相上面に設ける必要がある。また、フロリナートは揮発性が高く実験中に蒸発して液面高さが変化して実験条件がことなってしまう。そのため、電極を上面に設け、また密封性を高める構造とした。 水溶性サンプルを分注するために、分注先端部としてU字に加工したテフロンチューブを用い、分注する液滴の玉離れを良くするために絶縁を兼ねて表面にPTFEテープをはった。分注出口は、電極面が上面であることから上向きの構造で、ダイヤルゲージ式高さ調節機構により分注出口高さを精度良く設定した結果、電極面から0.4mmが最適な高さであることが分かった。試薬として、水および NKエステルA-IBを用いた。分注された液滴はCV値2%程度の単分散性のよい結果が得られた。また、液滴同士の合一実験として、フェノールフタレイン液滴とNaOH水溶液滴の合一、の様子を示す。アルカリ化呈色反応により滴が赤褐色になっているのが分かる。また、ビタミン分析を想定して、ニンジンジュースとイソプロパノール液滴との合一も行っい、混合することが確認できた。 本方式による、液滴分注-合一までのプロセスを行うことが可能であることが示された。
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Research Products
(2 results)