2012 Fiscal Year Annual Research Report
発酵食品副産物の高度活用戦略;健康と環境を守る「イムノエコフィード」の基盤創成
Project/Area Number |
23658216
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北澤 春樹 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10204885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻生 久 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (50241625)
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Keywords | 未活用資源 / エコフィード / ブタ / 発酵食品 / イムノバイオティクス / イムノジェニクス |
Research Abstract |
本研究は、未活用資源としての乳酸菌発酵液の高度有効利用法について、特にイムノバイオティクスやイムノジェニクスに着目し、健康危害リスクの軽減に貢献する薬剤に頼らない新たな「イムノエコフィード」としての活用基盤を構築することを目的とした。 具体的には、2年間の研究で乳酸菌発酵液の免疫機能性について、既に構築したブタ対応型分子免疫評価系を用いて検討し、野外における下痢予防を指標とした実証試験を行った。発酵液の免疫機能性を検討した結果、ブタ腸管関連免疫細胞の活性化能を見出した。この活性発現にはスターター乳酸菌および菌体外多糖が関与することが考えられた。さらに、ブタ腸管上皮細胞を用い、抗炎症作用を見出し、その調節機構の一端が解明できたことから、子豚の下痢症予防における抗菌剤使用軽減に貢献できる可能性が考えられた。さらに野外におけるインビボ実証試験により、発酵液の嗜好性は高く、8週齢以降の給与で有意な増体がみられ出荷適期が早まった。さらに、発酵液の給与で感染性炎症反応が抑制され、免疫能力向上への寄与も検証された。 本研究成果は、これまで大量廃棄されていた乳酸菌発酵液を、「イムノエコフィード」として位置づけるための基礎となり、その先駆的実施研究として大変有意義である。さらに、発酵液は、加工せずに直接流通可能であるので、発酵食品名産地に密着したブタ産業の活性化を可能とする新たな「地域活性化プロジェクト」の発展的展開が見込まれる。
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Research Products
(7 results)