2011 Fiscal Year Research-status Report
光干渉断層画像化法を応用した次世代型卵巣機能評価システムの創出
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23658220
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
阿部 宏之 山形大学, 理工学研究科, 教授 (10375199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 裕輝 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (00333328)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 光干渉断層画像化法 / 非侵襲計測 / 卵巣 / 生体機能評価 |
Research Abstract |
組織表層領域の画像解析を可能とする低コヒーレンス光干渉を利用した光干渉断層画像化法(オプティカル・コヒーレント・トモグラフィ:OCT)は、弱い近赤外光を生体に照射し、生体試料内部からの後方散乱光を高感度に検出することにより、生体試料の断層画像を撮影する技術であり、超音波画像診断と比べて高分解能を有する特長がある。本研究では、画像撮影の解像度とデータ解析能力を向上させたOCTシステムを開発し、不透明な組織への応用が可能な次世代型OCTシステムの基盤技術を確立するとともに、卵巣内の卵胞を非接触・無侵襲・リアルタイムに画像化できる新しい卵巣機能評価システムの開発を目指す。本年度は、画像撮影の解像度と解析能力の改良により卵巣内の全発達段階にある卵胞の画像撮影を可能とし、卵巣の組織学的解析や三次元画像構築により計測システムの性能と有効性を検証した。中心波長840 nmのOCTシステムを用いてマウス卵巣を計測した結果、卵胞の構造がはっきりと確認できた。マウス卵巣の組織学的標本を作製し計測できた卵胞の構造を確認したところ、顆粒膜細胞が数層ある直径100 um程度の二次卵胞であることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中心波長840 nm帯の光ファイバ干渉計、計測制御用コンピュータ環境など、高感度OCTシステムとしての基盤技術開発は達成できたといえる。計測感度を評価した結果,組織内の深さ方向分解能は数6 um程度であり、予定通りといえる。組織学的解析により、OCTシステムの感度を評価することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
OCTシステム開発では、現状20 umの横方向分解能であるが、10 um以下となるように改良を行う。マウスやウシの卵巣を測定対象として、直径50 um以下の一次卵胞の検出を目標とし、組織学的に有効性や可能性を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
構造情報に加え弾性情報をリアルタイムに描画するには、これまでより高速演算可能なGPUを導入する必要がある。また、OCTシステムの性能を評価するために、マウスや家畜からの卵巣の確保、組織学的解析のための試薬や画像解析ソフトが必要である。次年度の研究費は、これら必要物品の購入に充当する。旅費等は、研究成果を発信していくため、国内学会での発表及び論文での研究成果発表を予定している。
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Research Products
(13 results)