2012 Fiscal Year Annual Research Report
脳炎フラビウイルス感染による中枢神経障害の生体内リアルタイムイメージング解析
Project/Area Number |
23658243
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
早坂 大輔 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (10346926)
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Keywords | 分子イメージング / 日本脳炎ウイルス / ダニ媒介性脳炎ウイルス / PET / SPECT / マウスモデル |
Research Abstract |
フラビウイルス感染による脳炎を生体内で非侵襲的にイメージングし脳炎病態を早期に診断する方法の確立を目指して、日本脳炎ウイルス(JEV)およびダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV)感染マウスモデルを用いて分子イメージングによる脳炎イメージングを試みた。 JEV JaTH160株およびJaOArS982株、TBEV Sofjin株およびOshima株を5週齢のC57BL/6jマウスに10000 PFU皮下感染させ、5, 9, 13日目にF-18 FDGを10~20MBq腹腔内投与し、投与後10分後から30分間、イソフルラン吸入麻酔下でFX3000プレクリニカルイメージングシステム(SII)にて頭部のPETおよびCT撮像を行った。 その結果、感染9日目のJEV JaTH160株およびTBEV Sofjin株感染マウスに大脳皮質域におけるFDG集積の著しい低下がみられた。一方、非感染コントロールマウスでは脳全体にFDG集積がみられた。また、JEV JaOArS982株およびTBEV Oshima株感染マウスでは感染13日目において、重症個体で大脳皮質域におけるFDG集積の著しい低下がみられた。一方、軽症個体および非感染コントロールマウスでは脳全体にFDG集積がみられた。 JEVおよびTBEV感染マウスの病理組織像では、それぞれ大脳皮質および小脳部位での炎症、神経細胞死が多くみられる。今回の結果により、特にJEV感染で大脳皮質部位での病変部位とFDG集積低下部位での関連性が示唆され、この部位における神経細胞死のイメージングを示す可能性が考えられた。 本研究で、フラビウイルス感染個体の脳炎部位ではFDG集積が低下することがはじめて確認された。したがって、このPETイメージングを応用することにより、フラビウイルス脳炎患者の予後判定、治療方針決定への重要な診断法への確立が期待される。
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Research Products
(14 results)