2012 Fiscal Year Research-status Report
過塩素酸酸可溶性蛋白質を標的とした新規抗がん剤開発の基礎研究
Project/Area Number |
23658244
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
叶内 宏明 鹿児島大学, 獣医学部, 准教授 (10351884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 誠 鹿児島大学, 獣医学部, 准教授 (60305167)
刀袮 重信 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (70211399)
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Keywords | タンパク質高次構造 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
23年度の成果として、部分肝切除後の肝臓においてPSP高次構造が三量体(42K)から単量体および三量体以上の高次構造へと変化している事を見出している。24年度は肝臓再生中のホモジネートから抗PSP抗体を用いた免疫沈降法でPSPと相互作用するタンパク質を2つ見出した。それぞれのタンパク質をゲル内消化さらに抽出されたペプチド断片の質量をLC-MS/MSで測定し、ペプチドマスフィンガープリンティング法によって2つのタンパク質をglucose 6-phospho isomerase(GPI)およびcytochrome P450 2D4(CYP2D4)と同定した。肝切除後から再生される7日目までの肝臓ホモジネートを材料に抗PSP抗体を用いた免疫沈降法を行い、抗GPIと抗CYP2D4抗体でイムノブロッティングを行った結果、肝切除前ではそれらタンパク質はPSPと結合していないが、肝細胞増殖期(2-4日)に結合し、増殖が停止する7日目には再び結合が認められなくなった。肝細胞増殖期において、PSPにこれらタンパク質が結合した結果、三量体PSP以上の分子量としてPSPが検出されたと推測される。これらタンパク質とPSPの機能や高次構造の関係については検討中である。In silico研究から見出されたPSP結合低分子サルファグアニジンのラット肝臓細胞増殖への影響を検討した結果、サルファグアニジンを添加した細胞は、添加しなかった場合の細胞倍加時間と同程度であったが、コンフルエント時の細胞数が有意に増加していた。サルファグアニジンの濃度依存性を検討した結果、1nM以上で細胞密度像に影響を及ぼす事を明らかにした。PSPとPSPが相互作用する分子の高次構造と機能にサルファグアニジンがどのように影響を及ぼしているか検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度のゲル濾過によるタンパク質分子量測定方法確立が遅れ、23年に計画した内容を24年度に持ち越した。その結果、一部24年度中の研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書の計画通りに進める予定である。23年度から持ち越した、PSP高次構造と細胞増殖の関係を引続き行い、同時にPSP発現量を定量するためのPSPプロモーター領域を組込んだレポーター遺伝子を構築する。構築後にケミカルライブラリーを入手し、PSP発現を誘導する化合物のスクリーニングテストを実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
PSPプロモーター領域を組換えたレポーター遺伝子の作製に関わる費用、細胞培養に関わる費用、その他一般的な試薬と消耗品。学会での研究成果に関わる費用。
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Research Products
(1 results)