2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23658245
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
佐々田 比呂志 北里大学, 獣医学部, 教授 (90158931)
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Keywords | 精子走化性 / 低受胎性 / 精液 / 精しょう / 人工授精 |
Research Abstract |
ウシ受胎成績の低下の素因を解明することを目的とし、精液および精子側の要因を解析した。材料として、ウシ凍結および新鮮射出精液を用い、最終受精場で作用すると推察されている精子走化性について、受精能獲得との関係を検索した。 Two chamber法により、精子集積度を観察し、精子走化性を解析した。24ウェルマルチプレートの各ウェルに精子希釈基礎液450μlを導入後、セルカルチャーインサートを装着しインサート内に精子懸濁液300μlを入れ、120分間インキュベーターで静置した。静置後、精子集積度をウェル内の精子数の割合を算出することで評価した。 種雄牛間の差異を検索する目的とし、5 頭の種雄牛の凍結精液および1頭の新鮮精液を供試し、Two chamber法で精子走化性を解析した結果、種雄牛間および受精能獲得処理により、プロジェステロンに対する精子集積率に差が認められた。すなわち、コントロールを1としたときの精子集積率は受精能獲得処理をしていない場合、0.7~1.7の範囲であったのに対し、受精能を獲得処理精子では0.9~1.5の範囲であった。この受精能獲得後の集積率は一定の傾向を示さず、種雄牛間で異なった。したがって、最終受精場で起こることが想定される、受精能獲得精子の走化性には種雄牛で異なることが示めされ、このことが低受胎性の一因である可能性が示唆された。 精液中の精しょう成分のうち、最近、受精能に関わることが報告された精しょうタンパク質BSPを時間分解蛍光免疫測定法で検索した結果、サンプルの希釈倍率はウシで1000倍であった。さらに、季節による変動を解析した結果、精液性状とBSP濃度との間に明確な関係は見られなかったが、高濃度のBSPが存在することが明らかになり、凍結精液作製時の影響などを解析する必要が示唆された。
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Research Products
(2 results)