2012 Fiscal Year Research-status Report
口蹄疫研究への応用を目指したサロゲートウイルスの作出
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23658252
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀本 泰介 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (00222282)
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Keywords | ウイルス / 獣医学 |
Research Abstract |
宮崎県に発生した口蹄疫ではウイルスの侵入経路と拡大様式が不明であり、科学的な防疫対策の確立までは至っておらず、今後再び日本で口蹄疫が発生する危険性がある。一方、感染の拡大には何らかの野生動物が関与する可能性があり、特にシカやイノシシなど偶蹄類の野生動物に対するウイルス感受性のデータは、今後の防疫対策に欠かせない知見となる。しかし、感染実験など感染性ウイルスを扱う全ての実験には動物衛生研究所の高度封じ込め施設が必要であり、それが口蹄疫研究進展の大きな障害となっている。本研究では、非感染性の口蹄疫代替サロゲートウイルスを構築し、口蹄疫ウイルスの野生動物に対する感受性評価を目的とする。その成果は、口蹄疫研究のブレイクスルーになるとともに、防疫対策の構築に大いに貢献するものと期待される。 本年度はわが国在来の野生動物であるイノシシとニホンジカの臓器(肺、腎、肝臓など)を入手し、口蹄疫ウイルスの細胞レセプターとして機能するという報告のあるインテグリンファミリーのいくつかの遺伝子の同定を試みるため、各臓器からmRNAを抽出し、それをテンプレートにRT-PCRを実施した。その結果、一部のインテグリン遺伝子断片の増幅に成功した。今後、増幅範囲を拡大し、標的となるインテグリン遺伝子の同定と解析を行う予定である。一方。サロゲート候補であるウシライノウイルス2型のレセプター結合遺伝子領域のクローニングにも一部成功した。今後も解析を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
野生動物の新鮮臓器の入手に時間を要した。 ウシライノウイルス2型の培養細胞への感受性が低いため、培養条件の検討に時間を要した。いくつかのプライマーセットにより候補遺伝子のRT-PCRによる増幅を試みたが、ほとんどは増幅が見られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
野生動物のインテグリンファミリーの同定には、状態の良い臓器サンプルを入手が必須であることが判明した。したがって、より新鮮な臓器の入手に努め、かつRT-PCR増幅に用いるプライマーセットの条件を検討する予定である。 ウシライノウイルス2型の遺伝子クローニングにおいても、RT-PCR増幅に用いるプライマーセットの条件を検討する必要がある。クローニングに成功した領域の遺伝子配列を決定し、その情報をプライマー設定に利用する予定である。 これらの研究が進展すれば、ウシライノウイルスカプシドタンパク質のレセプター結合領域を細胞膜上に発現するコンストラクトを構築し、タグ分子を用いた発現の確認とインテグリン分子との結合性を解析する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の大部分は研究の実施に必要な消耗品費、および抗体作製に必要な実験動物購入、飼育費用に充てる予定である。研究の進展に伴い、成果発表のための学会参加費用、論文投稿料にも一部を使用する計画である。
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