2012 Fiscal Year Annual Research Report
環境を考慮した新規拮抗微生物によるカンキツグリーニング病の防除
Project/Area Number |
23658276
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
清水 進 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20187454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市瀬 克也 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター生産環境領域, 農林水産技官 (70355642)
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Keywords | カンキツグリーニング病 / 寄生菌 / ミカンキジラミ / ベクター |
Research Abstract |
本研究では,カンキツグリーニング病の防除対策の一つであるミカンキジラミの防除を目的として,寄生菌罹病ミカンキジラミからの昆虫病原性寄生菌の分離を行い,その同定を試み,さらに,分離された寄生菌の性状を調査し次のことを明らかにした。 1.沖縄およびベトナムの寄生菌罹病ミカンキジラミを用いて、病原性寄生菌の分離を試みた結果,寄生菌が雑菌に被われること、成長が遅いことがその分離を難しくしていることが判明した。そこで、沖縄県で採取した寄生菌罹病ミカンキジラミの顕微鏡下での観察および各種培地を使用して最適な分離方法と分離培地を開発した。改良した分離方法と培地によりベトナムと沖縄で採取した寄生菌罹病ミカンキジラミより寄生菌を分離した。 2.rDNA-ITS領域とβ-チューブリン遺伝子の塩基配列の系統解析から,沖縄株はP. javanicus,ベトナム株はP. lilacinusと同定できた。2菌株ともミカンキジラミ寄生菌としては新種の寄生菌であった。菌学的に類縁関係があるとされるP. javanicus ,P. tenuipes, P. fumosoroseus, P. lilacinus, P. marquandiiの既報の文献との菌学的性状を再度詳細に調査した結果、菌学的にも矛盾がなく沖縄株はP. javanicus,ベトナム株はP. lilacinusと同定された。 3.各種濃度の分生子を使用してミカンキジラミ成虫について病原力の調査を実施した。沖縄株の殺虫活性は、アメリカで実用化が期待されている分離株より10倍以上の殺虫活性が認められ、沖縄株の実用化にともなう詳細な解析が急務となった。また、ベトナムからの分離株は口吻を葉面に突き刺したまま死亡する特徴を有していた。
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Research Products
(3 results)