2013 Fiscal Year Annual Research Report
次世代医療用糖タンパク質の生産を目指したカイコからヒト型糖鎖創出技術の開拓
Project/Area Number |
23658286
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
朴 龍洙 静岡大学, グリーン科学技術研究所, 教授 (90238246)
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Keywords | バイオテクノロジー / 糖鎖 / タンパク質 / 昆虫 / N-アセチルグルコサミニダーゼ / ヒト型糖鎖型糖鎖 |
Research Abstract |
前年度の結果、合成siRNAやdsRNAヘアピンを導入し、β N-acetyl D-glucosaminidase(GlcNAcase)の活性をそれぞれ30%と60%抑制することが出来た。しかし、IgGと共発現を行いIgGへの糖鎖の修飾を確認したところ、N-acetylyglucosaminidase(NAG)の付与は確認できなかった。そこで、今年度はdsRNA(ヘアピン型dsRNA)をそれぞれ昆虫に特異的なactin、IE2、U6-2の下流に挿入したBmNPVバクミドを構築し、RNAiを誘導し、発現したタンパク質のGlcNAcase活性を測定したところ、Bm5細胞ではコントロールと比較してU6-2プロモーターが最大61%、カイコではIE-2プロモーターが最大42%のGlcNAcase活性の低下を確認した。さらに、得られたIgGをペプシン、グリコアミラーゼA処理によりタンパク質から糖鎖を遊離させ、HPLCで分離し、MALDI-TOF-MSにより質量分析で糖鎖構造を同定した。その結果、パウチマンノース型が70~80%を占め、NAGの付加は確認できなかった。 本結果を踏まえて、NAG付加の確率を高める目的でヒト由来糖転移酵素であるβ-1,2-N-acetylglucosaminytransferaseII(hβ2GnTII) またはβ-1,4-galactosyltransferaseI(hβ4GalTI)遺伝子をカイコで過剰発現させIgG発現を行った結果、hβ2GnTIIを発現した場合、N型糖鎖の還元末端N-アセチルグルコサミンの付加が認識られ、今後N型糖鎖解析を行う予定である。
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