2012 Fiscal Year Annual Research Report
アート錯体を基軸とするフッ素官能基導入法の開発と機能性素子への展開
Project/Area Number |
23659005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内山 真伸 東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (00271916)
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Keywords | フッ素導入反応 / 亜鉛アート錯体 |
Research Abstract |
ジアルキル亜鉛試薬と LiCl からなる新規ハロゲンーアルキル混合型亜鉛アート錯体がパーフルオロ有機ハロゲン化物のメタル化ならびに求電子試薬との反応に極めて有効であることを見いだした。本法は、初めての 0°Cから室温付近という温和な条件下でのパーフルオロアルキルアニオンの発生法であり高い化学選択性を有していたことから新たなパーフルオロ基導入法になりうると考えられる。 ジアルキル亜鉛と LiCl の系を用い、各種パーフルオロアルキルハライドとのハロゲン-メタル交換反応と、それに続くベンズアルデヒドへの付加反応を検討した。その結果、炭素鎖の長さに関係なく、ヨウ素-亜鉛交換反応が高収率で進行し、対応するアルコール生成物が得られた。一方、臭素化体になると反応が遅くなることが判明した。本反応の適応範囲を明らかにする目的で、各種のアルデヒド類との反応も検討した。その結果、アリール基上の官能基に関わらず、またピリジン、チオフェンのような複素環を持つアルデヒドでも高収率で対応するアルコール生成物が得られた。さらに、パーフルオロフェニルヨージドを用い、ハロゲン-メタル交換反応と、それに続くベンズアルデヒドへの付加反応を検討したところ、対応するアルコール生成物が得られ、本反応はパーフルオロアリルハライドに対しても有用であることが明らかとなった。 また、計算科学を用いた解析により、活性種についてその構造や他のパーフルオロアルキルメタル種との違いなど、多くの知見を得ることができた。さらに遷移構造探索により、配位子の転移能の選択性についても知見を見いだしており、実験化学的手法と併せて更なる解析を進めている。
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Research Products
(1 results)