2011 Fiscal Year Research-status Report
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23659012
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 孝禎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90372838)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 水素結合 / タンパク質 / リガンド |
Research Abstract |
医薬品―タンパク質複合体のX線結晶構造の調査、およびN+-CH-O水素結合を利用した酵素阻害薬の設計・合成・評価を行いその重要性を示すことを試みた。「日本の医薬品構造式集」(JAPIC)記載のアミン構造を含む全医薬品の中から、Protein Data Bank(PDB)でタンパク質とのX線共結晶があるものを選出し、アンモニウムカチオンに隣接するC-H結合の水素原子とタンパク質アミノ酸残基の酸素原子との距離が水素原子と酸素原子のファンデルワールス半径の和である2.72 Åより短いものがあるかどうかを調査した。その結果、多くの例で短いCH-O距離が見られ、CH-O水素結合の存在が示唆された。 当研究グループが最近見出したKDM4A選択的阻害薬NCDM-32は、KDM4A活性中心においてジメチルアミノ基の窒素原子に隣接するCH基がTyr 177, Ser 288, Gly 170, Glu 190とCH-O水素結合を形成していることがモデリング計算により示唆された。そこで、KDM4AのNCDM-32の認識にCH-O水素結合が重要であることを実験的に示すために、NCDM-32のジメチルアミノ基をメチルアミノ基とした化合物、アミノ基とした化合物、CH-O水素結合に陽電荷が重要であることを示すためにイソプロピル基とした化合物を設計・合成・阻害活性評価を行った。その結果、N+-CH基の数が減るに従い、KDM4A阻害活性の低下がみられた。また、陽電荷をなくした化合物では大きく活性が低下する結果となった。これによりKDM4Aと阻害薬間でCH-O水素結合が重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、小分子モデルを用いて、陽電荷に隣接するC-H基と酸素原子間の水素結合の存在を証明する実験データを得ること、CH-O水素結合を基盤とする医薬化学研究を行うことにより、生体高分子と薬物間の結合におけるCH-O水素結合の重要性を示すことを目的としている。 今年度は、医薬品とタンパク質の共結晶構造の調査により、医薬品とタンパク質間に短いCH-O距離が存在することを明らかにし、さらに低分子KDM4阻害剤の構造変換および阻害活性測定試験により、タンパク質-リガンド間で阻害薬間でCH-O水素結合が重要であるという実験データを得た。 このように、本研究は、当初の予定通り、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、さらに別のタイプの小分子モデルを設計、合成し、CH-O水素結合の重要性を示す実験データを収集する予定である。 さらに本研究が順調に進展すれば、CH-O水素結合を利用したドラッグデザイン、合成、生理活性測定まで行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費600,000円のうち、550,000円は、試薬代やガラス器具代の消耗品として使用し、50,000円は、学会参加の際の旅費として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)