2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23659013
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
椿 一典 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (50303897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉持 幸司 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (90408708)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 天然物合成 / 転位反応 / カスケード反応 / Dendrochrysanene |
Research Abstract |
セレンディピティーで見出した三種類の新奇カスケード反応の反応機構の解明と、これらの新奇反応を鍵反応とした天然物合成を達成する事を目標に研究を進めた。このうち(1)異常転位反応を利用したDendrochrysaneneの全合成研究は、ビアリール骨格からスピロ骨格へと芳香環の崩壊を伴いながら転位反応がおこる事を緒としている。この転位反応を利用しDendrochrysaneneの全合成に挑んでいる。全合成達成までには、1新規フェナントレン環の構築、2フェナントレン二量体の生成、3転位反応の三つの山場が想定されるが、1のフェナントレン環の構築を達成する事が出来た。現在はこのフェナントレン環の物量の確保を行っている。続く二量化と転位反応の検討を進める予定である。(2)臭化ナフトキノン類を出発原料とした二種類の異常二量化反応では、そのメカニズムの解明と転位反応の適用限界を精査を行った。一つ目はダブルマイケル反応を含むオキセピン環構築反応であり、そして二つ目は、マイケル反応-ダルツェンス反応のカスケード型の反応を含むエポキシド構築反応ある。いずれも妥当は反応メカニズムを提唱する事が出来た。これら二つの異常連続反応については、反応条件を精査しその収率を大きく向上させることに成功した。また論文の形にまとめる事が出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
三つの異常反応の推定反応メカニズムを明らかにした。さらにその最適反応条件の設定も行う事ができた。また反応検討の最中にさらに異常反応を見出すことができ、この方面にも研究を展開している。即ち、順調に計画通りに研究が進捗しており、その新たな展開も具現化しつつある。よって概ね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
ビアリールからスピロへの骨格転位をもちいたdendrochrysanene合成では残る二量化、と転位反応を完成させ、天然物合成を達成する。さらに類似の骨格を有するblespirolの全合成にも取り組みたい。臭化ナフトキノン類を出発原料とする異常反応の開発では、既に二つの異常反応については、その反応機構を明らかにする事が出来た。この際、新たに見出した新奇反応についても、反応条件の精査、反応メカニズムの提唱など、その詳細を明らかにすべく研究を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は反応用の試薬の購入、溶媒の購入等の消耗品に充て、有意義に使用されていただく。
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Research Products
(7 results)