2011 Fiscal Year Annual Research Report
π結合不斉転写型多機能触媒を基盤とした不斉四置換アミノ酸の汎用不斉合成法の開発
Project/Area Number |
23659015
|
Research Institution | 公益財団法人微生物化学研究会 |
Principal Investigator |
柴崎 正勝 微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 所長 (30112767)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 直哉 微生物化学研究会, 微生物化学研究所・有機合成研究部, 主任研究員 (40431887)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
|
Keywords | π結合 / アミノ酸 / 不斉4置換炭素 / 4置換アミノ酸 / 不斉合成 / 立体転写 |
Research Abstract |
バイオ医薬品やオリゴペプチドを含有する各種抗生物質群の主構成成分である天然型α-アミノ酸をα,α-2置換アミノ酸と置換する構造修飾は、体内での加水分解を遅延させ薬効を持続させる有力な手法として注目を集めている。しかしながら、現行の光学活性α,α-2置換アミノ酸合成法には基質適用範囲に大きな制約が残されており、任意のα-アミノ酸の光学活性α,α-2置換体の迅速提供が可能な状況にあるとは言い難い。本研究はπ結合不斉転写型多機能触媒の創製を基盤に、安価に入手可能な20種の通常アミノ酸を出発原料とし、任意の光学活性α,α-2置換アミノ酸へと高い効率・信頼性で変換する汎用合成手法の開発を主眼とするものである。基礎反応制御化学としてπ相互作用の新たな合成的利用価値を学術的に具現化すると共に、本手法により光学活性α,α-2置換アミノ酸誘導体群の迅速提供を可能にすることで、新規合成化学技術としてタンパク製剤及びオリゴペプチド系抗生物質のプロテアーゼ抵抗性製剤開発を大幅に推進することが期待される。各種電子不足π結合形成ユニットを有する塩基触媒を合成し、電子リッチπ結合形成ユニットを有するモデル基質を用いてNMR実験によりπ結合形成能を評価した。塩基部位を持たないモデル触媒分子においてはπ結合形成が確認されたが、π結合系性能が塩基性官能基の存在により大きく依存することが判明したため、触媒構造のデザインを変更する必要があると判断した。
|
Research Products
(2 results)