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2011 Fiscal Year Research-status Report

褐色脂肪細胞は増えるのか?

Research Project

Project/Area Number 23659027
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

梶本 和昭  北海道大学, 薬学研究科(研究院), 特任准教授 (10416216)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords細胞・組織 / 遺伝子 / マイクロアレイ / 褐色脂肪細胞
Research Abstract

本研究では、「褐色脂肪組織の機能亢進時に生じる組織肥大が、成熟褐色脂肪細胞の増殖による細胞数の増加によってもたらされる」という作業仮説に基づき、生体内における褐色脂肪組織の立体構造を保持した状態で培養できる新たな組織培養法を確立して、培養細胞レベルでは評価できない成熟褐色脂肪細胞の増殖能をリアルタイムに可視化することで証明するとともに、 褐色脂肪組織における寒冷馴化に伴う遺伝子発現変動と、生後発達に伴う遺伝子発現変動を網羅的に解析して比較することで、褐色脂肪組織の肥大化を誘発する鍵因子を同定し、その分子メカニズムを遺伝子レベルで解明することを目的とする。そこで、平成23年度には、本研究の遂行に必要不可欠な以下の2点について新たな組織観察法の確立を試みた。1. 褐色脂肪(BAT)の組織培養法の確立コラーゲンゲルを用いた三次元的組織片培養法およびメンブレンフィルターを用いた気-液界面における組織スライス培養法を応用し、BATの組織培養法を確立した。2. 共焦点レーザースキャン顕微鏡(CLSM)を用いた培養組織のリアルタイム観察組織を固定することなく組織中の成熟褐色脂肪細胞を生きたまま染色し、三次元的にタイムラプス観察を行うための最適な条件(染色試薬の種類、濃度、処理時間等)を検討し、CLSMを用いてリアルタイムに可視化する手法を確立した。これらの手法は、培養細胞レベルでは評価できない組織レベルでの成熟褐色脂肪細胞の挙動をリアルタイムに観察するために必須の技術であり、褐色脂肪組織の立体構造を保持したまま可視化することが可能になった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまで脳の海馬などを用いた組織培養やその顕微鏡観察はよく行われてきたが、褐色脂肪組織については皆無であった。しかし、組織レベルでの複雑な構造を保持した状態で生きた細胞の挙動を直接可視化することが、細胞本来が有する機能の正しい理解につながるとのアイデアに基づき、組織培養および組織観察に最適な条件を種々検討することで、当初目的としていた手法を確立することに成功した。以上のことから、概ね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

初年度の検討で、成熟褐色脂肪細胞の挙動をリアルタイムに観察することは可能になったため、今後は、どのようにしてBATの肥大化が制御されているのかを解明するために、以下の点について検討を進める。1. BATの肥大化に伴う遺伝子発現変動の網羅的解析通常環境下で、定常状態にあるBATが、寒冷馴化に伴って肥大するためには、外部刺激に応答して褐色脂肪細胞の機能変化が引き起こされていると考えられる。そこで、この機能変化を遺伝子レベルで捉えるため、寒冷環境下で1日~1週間飼育したマウスのBATから成熟褐色脂肪細胞を分離してtotal RNAを抽出・精製し、マイクロアレイを用いて遺伝子発現変動を時系列を追って網羅的に追跡することで、BATの肥大化に深く関わると予想される遺伝子群を抽出する。2. BATの肥大化を誘発する分子機構の解明上記の解析で同定される遺伝子群に対するsiRNAを用いたknockdown実験により、成熟褐色脂肪細胞の増殖が抑制されるか否かを検証し、組織増殖の分子メカニズムを解明する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用額(\16,523)については、平成23年度に実施した組織培養実験の物品購入の支払に使用する。平成24年度に請求する研究費は、主として褐色脂肪組織の肥大化に伴う遺伝子発現変動を網羅的に解析するため、実験動物、試料調製のための試薬類、遺伝子発現解析に供する器具、物品の購入に使用する。また、培養細胞を用いた遺伝子機能解析も実施するため、細胞培養に供する試薬類、物品も購入する。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 褐色脂肪とミトコンドリア

    • Author(s)
      梶本和昭
    • Organizer
      若手研究者 公開特別シンポジウム ミトコンドリアとDDS2(招待講演)
    • Place of Presentation
      北海道大学(札幌市)
    • Year and Date
      平成24年1月20日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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