2013 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレス抵抗性を有する変異型チャネルの導入による抗老化への挑戦
Project/Area Number |
23659037
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柿澤 昌 京都大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (40291059)
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Keywords | 酸化シグナル / 老化 / イオンチャネル / カルシウム / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
本研究課題では先ず、マウス小脳プルキンエ細胞をモデル系に、外因性の活性酸素種(ROS)及び加齢によりリアノジン受容体(RyR)が酸化修飾を受けることで、新規細胞内カルシウム(Ca2+)放出機構、一酸化窒素(NO)依存的Ca2+放出(NO-induced Ca2+ release; NICR)が阻害されることをイメージング及び生化学的手法により確認する。さらに酸化修飾によるNICR阻害において決定的な役割を果たすアミノ酸残基を同定し、将来的にはROSによる機能阻害が起らないことが期待されるアミノ酸置換を導入したCa2+チャネルを発現するノックインマウスを作製し、加齢もしくはROSによる分子・細胞・組織・個体レベルでの生体機能低下を防御できることを示すことを目指す。平成23-25年度に行われた研究により、以下のような結果が得られた。 ・外因性ROSおよび個体の加齢によりプルキンエ細胞のNICR及びRyRのNOによる化学修飾であるS-ニトロシル化も阻害される。さらに、酸化シグナルによる化学修飾であるジスルフィド化を選択的に検出する生化学的手法を確立し、外因性ROSおよび個体の加齢による影響を調べたところ、シグナルの優位な上昇が認められた。したがって、酸化シグナルはジスルフィド化を形成することでS-ニトロシル化を阻害し、S-ニトロシル化依存的な現象であるNICRを阻害する可能性が示唆された。 ・培養細胞にNICRに必要なシステインの近傍のシステインを一つずつアラニンに置換したRyRを導入し、酸化試薬処理に対するNICR阻害が見られないことを指標に、ジスルフィド結合に関与するシステイン候補の同定を行った。その結果、或るシステインをアラニンに置換したRyRにおいては、NICRが酸化試薬処理により阻害されなかったことから、このシステインをジスルフィド結合に組み込まれるシステインの候補とした。
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Research Products
(14 results)