2011 Fiscal Year Annual Research Report
血管でのスタチンによるクロマチン構造変化をしたKLF遺伝子持続誘導機構の解析
Project/Area Number |
23659050
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和田 洋一郎 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (10322033)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
|
Keywords | スタチン / 転写調節 / KLFファミリー / 内皮細胞 |
Research Abstract |
我々は内皮細胞をスタチンによって刺激4時間に誘導される遺伝子群について、MEK-ERK-MEF2カスケードが関与していることを明らかにした。そこで、MEF2A,MEF2Cに対するそれぞれの抗体を用いて、全ゲノム上での結合部位をChIP-Seqによって検討した。其の結果、MEF2Cについて良好なデータがえられ、従来知られているエンハンサー部位と異なる転写開始点の上流148kbの領域に結合が増加することを明らかにした。この新規エンハンサー領域は、網羅的なクロマチン相互作用解析(chromatin interaction analysis using paired-end tag sequencing : ChIA-PET)によって、転写開始点と相互作用していることが明らかになった。スタチンによるKLF4の誘導は持続的であることから、単なる転写因子の動員にとどまらず、永続的なクロマチン構造の変化が起こっていることが示唆されたので、さらに定量的なクロマチン相互作用解析であるTaqman-Chromatin Conformation Capture (3C)によって、スタチン刺激によってこの相互作用が増強することが確認した。以上のことから、スタチンによる持続的なKLF4遺伝子誘導には、MEF2Cを介したクロマチン構造変化が関与していることが示され、現在Poceedings of the Nationnal Academy of Scienece誌に投稿、改訂中である。
|