2012 Fiscal Year Annual Research Report
創薬におけるヒト型肝臓動物モデルを利用した体内動態の個体間変動予測法
Project/Area Number |
23659053
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
太田 茂 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院, 教授 (60160503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐能 正剛 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院, 助教 (00552267)
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Keywords | 薬学 / ヒト肝細胞移植キメラマウス / 肝細胞 / 薬物代謝酵素 / 遺伝多型 / 薬物動態 |
Research Abstract |
近年、医薬品開発の中で、薬物代謝酵素の遺伝多型などによる薬物動態の個人差が創薬での大きな障害になっている。本研究では、ヒト代謝の個別化予測が精度よくできる新規評価系の構築を目標とする。様々な薬物代謝酵素活性を有するドナーのヒト肝細胞をマウス肝臓に移植した「ヒト肝細胞移植キメラマウス」は、そのドナーを反映した薬物動態を示すことが期待でき、その血中動態から薬効や副作用の発現の予測も可能となる。本研究では、男性と女性のドナー肝細胞をそれぞれマウスに移植したヒト肝細胞移植キメラマウスを用いた。マウス肝臓におけるヒト肝細胞の置換率は概ね、80%であった。まず、薬物代謝酵素のうち最も薬物代謝の寄与が大きいとされるチトクロームP450(CYP)のCYP3A4の代謝活性に着目し、CYP3A4で代謝されることが知られる医薬品(Qunidine, Repaglinide, Verapamil, Midazolam, Diazepam)を本マウスに投与し血中動態を評価した。投与後のクリアランスは、2倍を最大に概ね女性ドナーの肝細胞を移植したキメラマウスの方が高い値を示した。この要因として、ドナー間のCYP3A4の発現量差、遺伝多型による差異が考えられたが、とくにQunidine, Diazepamでは、キメラマウスの残存するマウス肝細胞で代謝される寄与も含まれ、2ドナー間の動態の差異に原因を明確にはできなかった。今後、ドナー個体差を明確にするには、ヒト肝細胞の置換率がさらに高いマウスを用い、マウス肝細胞の寄与の少ない検証化合物を使って評価を行っていく予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Predictability of metabolism of ibuprofen and naproxen using chimeric mice with human hepatocytes.2012
Author(s)
Sanoh S, Horiguchi A, Sugihara K, Kotake Y, Tayama Y, Uramaru N, Ohshita H,Tateno C, Horie T, Kitamura S, Ohta S.
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Journal Title
Drug Metab Dispos.
Volume: 40(12)
Pages: 2267-72
DOI
Peer Reviewed
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