2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規二元性脳保護DAMPの戦略的受容体標的化合物スクリーニング
Project/Area Number |
23659056
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
植田 弘師 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00145674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 隼人 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20437833)
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Keywords | 神経創薬 / 生物活性物質 / DAMPs / プロサイモシンα / 脳虚血 / スクリーニング |
Research Abstract |
DAMPs (Damage-associated molecular patterns) は、自然炎症時に細胞死を介して受動的に細胞外遊離され病原体センサーに認識される秩序制御分子群である。また、病態時における慢性炎症への寄与が明らかとなっており、その制御基盤の解明は重要な課題となっている。核タンパク質プロサイモシンα (ProTα)は、核内、細胞質、細胞外とそれぞれの存在場において、自己保護に寄与する多機能性を有している。我々は、ProTαが虚血性ストレスに応じて非小胞性に神経細胞から遊離し、ネクローシスを抑制する保護分子であることを明らかとしてきた。さらに、細胞外ProTαは、神経免疫系を介してアポトーシスも抑制する。細胞ストレス誘発性遊離分子であることから、ProTαは新規の神経保護性のDAMPsとして分類される。虚血誘発性障害に対する細胞外ProTαの神経保護は、二種の異なった細胞膜受容体を介するものである。本研究は、「化合物ライブラリーよりProTα受容体に対する作用分子の網羅的探索」を行うことを大目標に据えた。創薬研究は、シード・リード化合物を同定し、個体レベルを含めた正当且つ戦略的な評価を行い、立体構造解析・in silico解析・化合物合成を含めた大規模研究が必須である。本研究は、創薬研究の準備と位置づけ以下の成果を挙げることに成功した。1)内在性リガンドである ProTαの神経保護活性中心ドメインのペプチドレベル同定。2)受容体に対する ProTαの結合ドメイン、もしくは活性化ドメインのペプチドレベル同定。3) ProTα由来活性ペプチドの神経保護効果の個体レベルでの実証。4)化合物ライブラリーを用いたハイスループットスクリーニングに耐えうる系の構築。今後、二種のProTα受容体を標的とした化合物ライブラリーからの大規模スクリーニングを行う予定である。
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