2011 Fiscal Year Research-status Report
分子進化工学の手法を応用した低分子抗原特異的一本鎖抗体の開発研究
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23659057
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森岡 弘志 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (20230097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪 喜昭 熊本大学, 薬学部, 特任助教 (50516127)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | AGE認識抗体 / 分子進化工学 / ファージディスプレイ / scFv抗体 / 低分子抗原 / デンドリマー型ペプチド |
Research Abstract |
タンパク質の糖化反応生成物であるAGE(Advanced Glycation Endproducts)は,多種多様な構造を持つ低分子量の翻訳後修飾体である.糖尿病関連疾患の研究を進める上で,抗AGEモノクローナル抗体は有用であるが,エピトープであるAGEが低分子化合物であり,様々なタンパク質分子上に生成するため,従来の方法で,特異性,ならびに,結合性が高い抗AGEモノクローナル抗体を作製するのは困難である.本研究では,化学的にAGE修飾した合成ペプチド(デンドリマー型ペプチド)と分子進化工学の手法を用いて,各種AGEに対して,特異性,ならびに,結合性が高い遺伝子組換え型抗体(一本鎖抗体;scFv)の開発研究を行う.(1) AGEで修飾されたデンドリマー型ペプチドの作製 ー(-Gly-Ala-Gly-(Lys/Arg)-Gly-Ala-Gly-)をコア配列とするデンドリマー型ペプチドを合成し,反応性の高いα,β-ジカルボニル化合物を反応させ,多種多様のAGE修飾体を得た.(2) AGEで修飾されたペプチド,および,タンパク質のマウスへの免疫 ー AGE修飾されたデンドリマー型ペプチドをマウスに免疫し,血清中の抗体価が上がったマウスより脾臓を摘出した.(3) 抗体可変領域(Fv)遺伝子ライブラリーの作製,および,ファージディスプレイ法による組換え抗体分子のスクリーニング ー マウス脾臓より,RT-PCR法によって,IgG抗体の重鎖および軽鎖Fv遺伝子ライブラリーを作製し,ファージディスプレイ法によるスクリーニングにより, AGEを識別する組換え型モノクローナル抗体(一本鎖抗体;scFv)の獲得を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AGEで修飾されたデンドリマー型ペプチド〔(-Gly-Ala-Gly-(Lys/Arg)-Gly-Ala-Gly-)をコア配列〕を合成し,グリコールアルデヒドを反応させ,多種多様のAGE修飾体を得ることに成功した.さらに,このAGE修飾ペプチドをマウスへの免疫し,血清中の抗体価が上がったマウス得ることができた.マウスの脾臓より,RT-PCR法によって,IgG抗体の重鎖および軽鎖Fv遺伝子ライブラリーを作製し,scFv遺伝子ライブラリーの調製にも成功した.現在,ファージディスプレイ法によるスクリーニング進めており,今年度中には,目的のAGEを識別する組換え型scFv抗体を獲得できるものと考えている.以上,ほぼ計画通りに研究は進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
申請書での計画通り,研究を推進する.研究費に関して,平成23年度に未使用額があるが,少ない(952円)ので,計画変更は行わない.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
申請書での計画通りに使用する.
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Research Products
(2 results)