2012 Fiscal Year Annual Research Report
カテナン・ロタキサン構造の導入による生理活性分子の活性制御新手法
Project/Area Number |
23659058
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
樋口 恒彦 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (50173159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅澤 直樹 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (40347422)
加藤 信樹 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (50400221)
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Keywords | カテナン / ロタキサン / ケージド化合物 / プロドラッグ / 大環状化合物 / 生理活性物質 |
Research Abstract |
本研究は、従来ほとんど有効な利用がなされてこなかったカテナン構造、ロタキサン構造を、生理活性化合物に導入し、必要な場所で光や還元などにより、構造を解除することによって、生物活性など有用な活性の抑制された状態から、活性な状態に変換することに利用する、新しい概念・戦略に関するものである。本方法では、生理活性化合物自身は、何も化学修飾する必要がないという利点がある。 大環状構造を有する生理活性化合物は、大環状ラクトンや環状ペプチド等、多数存在するため、大環状化合物に対して、着脱可能な環を導入してカテナン構造を形成する検討を加えた。当初は、メチレン鎖だけからなる16員環ラクトンの共存下、ジチオールを酸素酸化して環状ジスルフィドを形成させ、カテナンを生成させることを計画した。環状ジスルフィドは、還元的環境でジチオールに切断され、カテナン構造を解除できるスイッチ機能として組み込んだ。しかし、UV吸収などがない構造であったため、生成物の検出が困難であった。また、ただ工夫なくカテナン構造を形成させるのは収率的にも困難であるということも考えられた。 そこで次に、大環状化合物には、検出を容易にする蛍光性分子を組み込んだクラウンエーテル分子を採用し、また、ジチオール分子にも、クラウンエーテルと高い親和性を持つと考えられるカチオン性の部位を組み込んだものを用いることを計画した。これにより大幅な収率の向上が見込まれる。前者については合成がすでに完了したが、後者のジチオールの合成に時間がかかっている。しかし合成のめどは立ったため、カテナン合成に向けて取り組んでいる状況である。本手法の完成により大環状生理活性物質を、化学変換することなくカテナン構造を取らせることで、一旦活性をマスクし、必要な時に必要な部位でカテナン構造を解除し、独創的で優れたケージド化合物・プロドラッグとすることが期待される。
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[Journal Article] Effect of Helical Conformation and Side-Chain Structure on γ-Secretase Inhibition by β-Peptide Foldamers: Insight into Substrate Recognition2013
Author(s)
Yuki Imamura, Naoki Umezawa, Satoko Osawa, Naoaki Shimada, Takuya Higo, Satoshi Yokoshima, Tohru Fukuyama, Takeshi Iwatsubo, Nobuki Kato, Taisuke Tomita, Tsunehiko Higuchi
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Journal Title
J. Med. Chem
Volume: 56(4)
Pages: 1443-1454
DOI
Peer Reviewed
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