2013 Fiscal Year Annual Research Report
高病原性トリインフルエンザウイルス新規侵入経路の解明:高病原性の新解釈
Project/Area Number |
23659069
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
櫻井 陽 公益財団法人東京都医学総合研究所, ゲノム医科学研究分野, 研究員 (40546628)
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Keywords | ウイルス / 高病原性トリインフルエンザウイルス / 病原性 |
Research Abstract |
2009年に発生した、ブタ由来新型インフルエンザウイルスの世界的大流行(パンデミック)は世界を大きな混乱に陥れた。幸運なことに、このパンデミックウイルスは比較的低病原性であったために、被害の拡大は最小限で抑えられた。しかし、2003年以降に世界中のトリの間で拡散し続けている高病原性トリインフルエンザウイルスH5N1亜型の恐怖が払拭されたわけではない。逆に、H5N1亜型がパンデミックを起こしうる可能性があることを再認識させる結果となった。 高病原性トリインフルエンザウイルスH5N1亜型は、その高い致死率を最大の特徴とし、他の亜型とは性質が大きく異なっている。これまでの研究では、通常のシアル酸依存的な侵入経路に加えて、H5亜型特異的なアミノ酸配列による新規の侵入経路を示唆する所見を得ている。また当該配列に変異がある場合はシアル酸依存的な侵入しか行えないことも示した。最終年度ではこの配列特異的な抗体を作製した。加えて、この抗体によって新規侵入経路を阻害することを培養細胞の実験系によって示した。加えて、マウスの感染実験を行うことで、マウスへの病原性を限定的ではあるが押さえることが可能であるという所見も得た。 本研究は高病原性トリインフルエンザの病原性を理解する上で、ウイルス学的にも医学的にも非常に意義のある意味を持つことが期待される。
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[Journal Article] Broad-Spectrum Detection of H5 Subtype Influenza A Viruses with a New Fluorescent Immunochromatography System2013
Author(s)
Akira Sakurai, Katsuyoshi Takayama, Namiko Nomura, Tsubasa Munakata, Naoki Yamamoto, Tsuruki Tamura, Jitsuho Yamada, Masako Hashimoto, Kazuhiko Kuwahara, Yoshihiro Sakoda, Yoshihiko Suda, Yukuharu Kobayashi, Nobuo Sakaguchi, Hiroshi Kida, Michinori Kohara, Futoshi Shibasaki
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Journal Title
PLoS One
Volume: 8(11)
Pages: e76753
DOI
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