• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2011 Fiscal Year Research-status Report

センス・アンチセンスRNA複合体を標的とした新規核酸医薬療法の開発

Research Project

Project/Area Number 23659080
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

櫻井 文教  大阪大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (70370939)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords非コードRNA / 核酸医薬 / 遺伝子発現制御 / がん / 非翻訳領域 / RNA activation
Research Abstract

本年度は、乳がん細胞株であるMDA-MB-231細胞ならびにMCF7細胞におけるCHIPならびにJMJD8遺伝子の発現を検討した。その結果、CHIPのタンパク質発現量はMDA-MB-231<MCF-7であったが、CHIP mRNA量は同程度であった。一方、JMJD8 mRNA量は、MDA-MB-231>MCF-7であった。従って、CHIPの発現は翻訳レベルで制御されており、JMJD8遺伝子mRNAの発現がそれに関与している可能性が示唆された。そこで現在、JMJD8に対するsiRNAを設計し、ノックダウン効率を検討している。一方で、別のターゲット遺伝子としてRECK遺伝子に着目した。RECKは、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)を阻害することにより、がん細胞の転移・遊走を阻害するが、がん細胞ではその発現が抑制されている。そこで、RECK遺伝子のプロモーター領域に対し相補的配列を有する7種類の二本鎖RNAを設計し、培養細胞に導入したところ、そのうちの1種類でRECKの発現がタンパク質レベル・mRNAレベルともに有意に上昇した。さらにRECK遺伝子発現活性化の経日的変化について検討したところ、Transfection4日後にピークを迎え、一週間程度発現が持続した。また、Transfectionした二本鎖RNAの濃度依存的にRECK遺伝子の発現活性化が観察された。そこで次にRECK遺伝子の発現活性化メカニズムに関して検討を行った。当初、RECK遺伝子のプロモーター領域よりアンチセンス転写物(非コードRNA)が発現しており、それがRECK遺伝子mRNAと複合体を形成していることを予想したが、RT-PCRの結果、アンチセンス転写物は検出されなかった。本研究により、核酸医薬により標的遺伝子の発現を上昇させることが可能になれば、核酸医薬の応用範囲を広げることとなり、極めて意義深い。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

核酸医薬によるCHIPおよびJMJD8遺伝子の発現制御については、各細胞における遺伝子発現レベルの検討やsiRNAによるノックダウン実験などを進めるなど、順調に検討を進めている。さらには、新たなターゲット遺伝子としてRECK遺伝子に着目し、RECK遺伝子のプロモーター領域に相同な配列を有する二本鎖RNAをTransfectionすることで、RECK遺伝子の発現を活性化させることに成功し、既に2回の学会発表を行った。現在、RECK遺伝子の発現活性化メカニズムについて検討を進めるとともに、がん細胞の遊走抑制について実験を進めている。

Strategy for Future Research Activity

CHIP遺伝子およびJMJD8遺伝子については検討を進めているものの、当初予想したようには複合体を形成していない可能性がある。すなわち、オフターゲット効果の可能性も考えれることから、その点に注意して、検討すすめる。また新たなターゲット遺伝子として、RECK遺伝子についても検討を進める。RECK遺伝子については、プロモーター領域に相同な配列を有する二本鎖RNAをTransfectionすることで、その遺伝子が活性化された。近年、標的遺伝子のプロモーター領域に相同な配列を有する二本鎖RNAをTransfectionすることで、標的遺伝子の発現が活性化されるRNA activationという現象が報告されている。RECK遺伝子の発現活性化は、RNA activationと考えられるが、これまでのRNA activationでは、プロモーター領域から長鎖非コードRNAが発現している。そこで、RECK遺伝子についても長鎖非コードRNAが発現しているか検討したところ、その発現は認められなかった。したがって、RECK遺伝子におけるRNA activationは、これまでに報告されているメカニズムとは異なるメカニズムによって発現活性化しているものと思われる。そこで今後は、そのメカニズム解明に向けて検討を進める。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本研究課題は遺伝子工学、分子生物学などの手法を駆使して実験を遂行するため、それらに関する実験試薬・消耗品は必要不可欠である。また、本研究に必要な実験機器および施設はすべて揃っている。物品費850,000円 旅費400,000円 謝金100,000円 その他500,000円なお、物品費の内訳については以下の通りである(千円単位)。細胞培養関連試薬;培地50 抗生物質25 その他25、細胞培養機器;培養ディッシュ・ピペット・チューブ50 その他50 遺伝子関連試薬;合成核酸(LNA, siRNA)100 RT-PCR関連試薬50 Western blotting用試薬50 遺伝子導入試薬50 その他50 遺伝子関連機器;PCRチューブ50 チップ・エッペンチューブ50 ピペット50 その他50、実験動物;マウス100、飼料・床敷き50

  • Research Products

    (2 results)

All 2011

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] プロモーター領域を標的とした二本鎖RNAによるRECK遺伝子の発現活性化2011

    • Author(s)
      南條有紀、櫻井文教、谷野文仁、立花雅史、水口裕之
    • Organizer
      アンチセンス・遺伝子・デリバリーシンポジウム2011
    • Place of Presentation
      大阪大学コンベンションセンター
    • Year and Date
      2011年9月1~2日
  • [Presentation] プロモーター領域を標的とした二本鎖RNAによるRECK遺伝子の発現活性化2011

    • Author(s)
      南條有紀、櫻井文教、谷野文仁、立花雅史、水口裕之
    • Organizer
      第61回日本薬学会近畿支部総会・大会
    • Place of Presentation
      神戸学院大学ポートアイランドキャンパス
    • Year and Date
      2011年10月22日

URL: 

Published: 2013-07-10  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi