2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規自然免疫誘導因子を利用した経口投与型ワクチン開発の基礎検討
Project/Area Number |
23659086
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小泉 直也 昭和薬科大学, 薬学部, 助教 (80433845)
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Keywords | 粘膜ワクチン |
Research Abstract |
初年度の実験動物を用いた検討により、アデノウイルスカプシドタンパク質由来の取り込み促進分子は、胃への直接投与において、顕著な抗原タンパク質の取り込み促進を示さないことが明らかとなった。そこで、今年度はマウス上気道および腸管等の粘膜面への抗原およびアデノウイルスカプシドタンパク質由来の取り込み促進分子を投与した結果、抗原特異的な血清中抗体価は検出できたものの、抗体価の優位な上昇は認められなかった。そこで、抗原分子の効率的な取り込みを行うため、モデル抗原分子である卵白アルブミンの抗原ペプチドとアデノウイルスカプシドタンパク質の融合タンパク質を作製した。また、in vivoでの機能向上を目指し、アデノウイルスカプシドタンパク質の機能ドメインの解析とその取り込み能についても評価を行った。 その結果、抗原ペプチドとの融合タンパク質においては、大腸菌を用いた組み換えタンパク質を作製し精製することに成功した。しかしながら、in vitroの結果では細胞表面への結合能は保持されるものの、アデノウイルスカプシドタンパク質由来の取り込み促進機能は認められなかった。GFPとの融合タンパク質の検討からN末端またはC末端どちらにGFPを付与しても、細胞表面への結合能のみが認められ、細胞内への取り込みについては検出されなかった。このことから、アデノウイルスカプシドタンパク質由来の取り込み促進分子は、融合タンパク質化することで機能的な立体構造が保持できないと考えられる。一方、機能ドメインの同定が可能となればin vivoでの機能性向上が期待されることから、取り込み機能ドメインの解析を行い、26アミノ酸までの絞込みが達成された。in vitroの結果より、細胞内取り込み能の優位な上昇が明らかとなり、抗原輸送システムにおいて利用可能なリード分子の最適化に成功した。
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Research Products
(3 results)