2013 Fiscal Year Annual Research Report
生体内凍結技法による血管内流動赤血球膜内粒子および膜骨格構造の超微形態学的解析
Project/Area Number |
23659093
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
大野 伸一 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (50109170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 信生 信州大学, 医学部, 教授 (60293461)
齊藤 成 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (10456444)
齊藤 百合花 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (00530099)
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Keywords | 生体内凍結技法 / 流動赤血球機能的形態像 / 膜関連蛋白 |
Research Abstract |
この生体内凍結技法により虚血と酸欠状態を引き起こすことなく、生きた動物臓器組織を凍結し、その臓器組織を三次元的ディープエッチングレプリカ法と走査型電顕試料で解析するとともに、虚血・再灌流マウスモデル作製試料を共焦点レーザー顕微鏡で解析した。平成23年度では麻酔下マウス肝臓と腎臓を生体内凍結して流動赤血球膜のレプリカ膜を作製した。この流動赤血球は、流速方向に赤血球の長軸を合わせるように伸展して、赤血球膜内粒子が直線的に配列し、これらの膜内粒子は主にバンド3蛋白であった。平成24年度では生体内流動赤血球の走査型電顕法による解析を行なった。生体内流動赤血球の変形能は、酸素運搬機能に重要であると言われている。しかし、生きた動物臓器内流動赤血球の形態像は十分に解明されていなかった。この研究により、大動脈内流動赤血球は楕円状形態像をとるが、流速の遅い下大静脈内では両側陥凹円盤状であった。また肝類洞内流動赤血球は、流体力学的乱流による影響のために、種々の形態像を呈していたが、心肺停止による血流停止時には両側陥凹円盤状形態となった。平成25年度には、麻酔下マウス肺臓を生体内凍結-凍結置換固定して凍結切片作製を行ない、膜結合蛋白等の抗体で免疫染色し、共焦点レーザー顕微鏡で解析した。生きたマウス肺胞壁毛細血管内流動赤血球は、膜骨格スペクトリン蛋白で免疫染色すると、その不規則形態像を可視化できた。さらに種々の流動赤血球が、肺胞吸気時に血管内皮細胞と接着しており、ガス交換機能を効率よく行う形態像と考えられた。さらに人工呼吸器装着などにより、麻酔下マウスの心肺機能停止を経時的に起こさせて、小腸および肺臓の血行動態を量子ドット注入で検索することにより、生きた動物生体内各臓器の微小環境が、赤血球の機能形態像に関与することが明らかとなった。
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Research Products
(13 results)