2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23659094
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 倫毅 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80456649)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 豊士 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50115929)
|
Keywords | 脂肪滴 / 蛋白質分解 |
Research Abstract |
脂肪肝は部分切除後の再生能が低いため、肝移植のドナーとして不適格であることが問題となっている。一方、正常な肝臓を部分切除すると、再生初期に脂肪滴が激増し、一過性に脂肪肝状態を呈する。脂肪滴形成にカベオラを形成するCaveolin-1が関与していることは、周知の事実である。Caveolin-1ノックアウトマウスにおいて部分肝切除を施すと、正常肝で観察される脂肪滴増加が抑制され、正常マウスより肝再生が顕著に遅延する。つまり、部分肝切除後の肝再生には脂肪滴の代謝が重要である。 本課題では、脂肪滴上の蛋白質の分解を操作することによって脂肪酸の代謝を制御し、肝再生促進に繋げる方法を探索することを目的として研究を行なった。我々はUBXD8とp97/VCPを脂肪滴局在蛋白質として同定し、この蛋白質複合体が脂肪滴上においてVLDL (Very Low Density Lipoprotein)を形成するのに重要な働きをするApolipoprotein Bの分解を制御していることを明らかにした。最終年度は、更にUBXD8が脂肪滴局在蛋白質の分解、及び脂肪滴の代謝へも関与する結果を得た。この成果をもとに、UBXD8の肝臓特異的ノックアウトマウスも作製した。このマウスを用いた更なる研究により、肝再生促進技術開発に繋がることが期待できる。
|