2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヘパリンプロテオグライカン(セルグライシン)の生合成
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23659108
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
柳下 正樹 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70132793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KA 井上 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90302877)
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Keywords | heparin / heparan sulfate / glycosaminoglycan / proteoglycan |
Research Abstract |
ヘパリンは血液抗凝固作用を持つ物質として人工心肺、血液透析など体外循環を必要とする処置、血栓症、血管内凝固症候群の予防・治療など広範な医療領域で使用されている。ヘパリンは動物体内で肥満細胞によりプロテオグライカンの糖鎖成分として生合成され、さらに遊離糖鎖として分泌顆粒内に貯蔵される。細胞内ヘパリン生合成過程においてその調節機構、特にnativeの糖鎖(分子量約80 kDa)が貯蔵型(約7 kDa)へ成熟する過程に関してほとんど知見が無い。分子構造解析からこの過程にヘパラネース酵素の関与が強く疑われている。本研究ではこの酵素がかかわると考えられるプロセッシングに関し、細胞培養を用いた代謝標識法、及びヘパラネースのノックアウト動物を使用して詳細な解析を行うこととした。最大のチャレンジとしてはヘパリン糖鎖生合成系分析のための肥満細胞の初代細胞培養系の確立が重要な鍵となりこれに最も研究時間が使われることとなった。具体的には十分数かつ必要純度を持った細胞の取得、培養系でのヘパリン合成過程表現型の安定が問題となった。培養中に肥満細胞が脱分化傾向を示すこと、ヘパリン合成系が過硫酸化コンドロイチン硫酸系に変化すること、培養条件(特に培養液中ブドウ糖濃度)により糖鎖合成全体に大きな影響を受けることが特に問題となった。これらの点について種々の実験条件設定を試み、かつ海外の研究者との共同研究、意見交換等も行ったが、本研究期間内では十分に満足のいく実験系が完成しておらず、継続した試みが必要な現状である。本研究期間中に得られた主要な結果として、ヘパリン糖鎖の非還元末端構造解析においてその生物学的活性を説明する鍵となりうる共通構造が存在すること、及びこの構造を生成するためのヘパラネースの役割に関する情報の得られたことが挙げられる。
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Research Products
(5 results)