2011 Fiscal Year Research-status Report
生理学的アプローチによるヒト全能性幹細胞由来ペースメーカ細胞作製と再生医療応用
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23659112
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
久留 一郎 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60211504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白吉 安昭 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90249946)
山本 康孝 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (20362882)
三明 淳一朗 鳥取大学, 医学部, 講師 (40372677)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ヒトES細胞 / ヒトiPS細胞 / ペースメーカ細胞 / HCN4搭載BACベクター |
Research Abstract |
(1)ヒト全能性幹細胞からのペースメーカ細胞分化誘導技術の確立:ヒトES細胞は京都ヒトES細胞株3番を用い、ヒトiPS細胞はヒトTリンパ球に山中4因子をセンダイウィルスベクターを用いて導入し樹立した。これらの細胞からペースメーカ細胞を含む心筋細胞を分化誘導するために、ヒトES細胞ならびにヒトiPS細胞をコンフルエントの状態にし、酵素処理により小型の細胞塊を作成し、マトリゲル上で培養し、Wntシグナルの阻害薬(CHIR99021)とBMPシグナルの阻害物質(Noggin)を添加して、分化誘導を開始し、4日間培養する。引き続き酵素処理により単一細胞を作成後、96 well dishの各wellに10000個の細胞を巻き凝集塊を作製して、BMP4とFGF2を添加することで分化誘導した。CHIR99021(3μM)とNoggin(100ng/ml)でday4でstageIIへ移行し、FGFを添加することで、凝集塊が100%拍動し、分化誘導法を確立した。(2)BAC改変ヒト全能性幹細胞の樹立:ヒトHCN4チャネルのプロモーター領域を含む5kb の5’-側と3kbの3’-側をPCRで増幅した後、GFPのcDNAを持ちNeomycine耐性遺伝子とジフテリア毒素遺伝子を有する真核細胞発現ベクターのmulti-cloning siteに挿入したノックインベクターを作成する。制限酵素でベクターをlinearizeしたのち電気穿孔法でヒトESおよびiPS細胞に遺伝子導入し、Neomycinにより耐性クローンを選択した。ノックイン株が得られないために、ヒトHCN4チャネルのプロモーター領域にGFPを連結したBACベクターを構築し、ヒトES細胞に導入し、マウスES細胞に導入し、心筋分化誘導し、GFPの発現を拍動心筋に確認してBACベクターが作動することを確かめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の第一目標であるヒトES細胞からのペースメーカ細胞を含む心筋細胞への分化誘導条件はCHIR99021(3μM)とNoggin(100ng/ml)でday4でstageIIへ移行し、FGFを添加することで最適化が完了した。また、ヒトTリンパ球細胞よりヒトiPS細胞の作製に成功しており、順調に進展している。一方で、ヒトES細胞由来心筋細胞からペースメーカ細胞をGFPにより選別する技術に関しては当初予定していたノックインES細胞作製が不成功に終わったために、HCN4のプロモーター領域を搭載したBACベクターを作製し、これをヒトES細胞に導入することでGFPによりペースメーカ細胞を選別できる予定であり、BACベクターを用いたHCN4陽性細胞の選別採取法が確立できる。さらに現在単離心筋細胞を得るための酵素処理の最適化を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
前述のBACベクターを用いたGFP陽性のヒトES細胞ならびにiPS細胞由来ペースメーカ細胞を選別採取する。これを用いてヒト全能性幹細胞由来ペースメーカ細胞の組織化ならびに徐脈モデル動物へのペースメーカ組織移植とその性能評価を行い、外部評価委員による研究進捗の検証することで研究期間中に遅滞なく目標を達成出来るようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の使用計画:12,663円の発注が間に合わないために残額が生じた。これを含めて次年度の本研究を完成させるために消耗品に研究費を使用する計画である。
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Research Products
(5 results)