2012 Fiscal Year Research-status Report
体細胞初期化因子の新規ヒト発現レポーター細胞システムの樹立とその応用
Project/Area Number |
23659115
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
藤田 寿一 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30212187)
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Keywords | 初期化因子 |
Research Abstract |
本研究は、1)初期化因子(Oct3/4やSox2あるいはNanog遺伝子)の発現を選択薬剤とGFPでモニターすることが可能な新規ヒトレポーター細胞株を樹立して、2)ゲノムワイドsiRNAライブラリー、あるいはES細胞由来のcDNAライブラリーをレポーター細胞株に導入して得られた生存細胞からsiRNAおよびcDNAを網羅的に同定し、初期化因子の発現を制御するネガティブ制御因子およびポジティブ制御因子を明らかにする。3)同定した発現制御因子群の立体構造をホモロジー・モデリングにより予測し、4)ドッキング・シミュレーションによるバーチャル・スクリーニングを行うことで、制御因子の活性化あるいは不活性化を引き起こす低分子化合物の検索と同定を行う。さらに今回、樹立した新規レポーター細胞を用い、制御因子群の活性を修飾する可能性のある候補低分子化合物の生物活性を検証することを目的とする。 平成24年度では平成23年度において作製したOct3/4, Sox2およびNanogの5'アーム・エントリークローンおよび3'アーム・エントリークローンとネオマイシン、ハイグロマイシンあるいはピューロマイシンの薬剤耐性遺伝子(Drug resitant gene)をインターナル・リボゾーム・エントリーサイト(IRES)をもつpIRES2-EGFPプラスミドに組み込んだレポーター遺伝子をを用いてOct3/4, Sox2およびNanogのノックイン・ターゲッティングベクターを構築した。さらに、これらのベクターをヒトES細胞にエレクトロポーレーション法により遺伝子導入し、選択培地で選別することで初期化因子(Oct3/4やSox2あるいはNanog遺伝子)の発現を選択薬剤とGFPでモニターすることが可能な新規ヒトレポーター細胞株の樹立を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Oct3/4, Sox2およびNanogのノックイン・ターゲッティングベクターをヒトES細胞にエレクトロポーレーション法により遺伝子導入して、選択薬剤培地で選別することで初期化因子の発現を選択薬剤とGFPでモニターすることが可能な新規ヒトレポーター細胞株の樹立を試みたが、ヒトES細胞への遺伝子導入効率、また相同組み換えの頻度が予想以上に低く、ヒトレポーター細胞株の取得にはまだ至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
Oct3/4, Sox2およびNanogのノックイン・ターゲッティングベクターのヒトES細胞あるいはiPS細胞への遺伝子導入方法に関して、エレクトロポーレーション法による導入も試みながら、その他のリポフェクション法やPEI (Polyethyleneimine)を用いる遺伝子導入法も検討して、初期化因子の発現を選択薬剤とGFPでモニターすることが可能な新規ヒトレポーター細胞株を樹立し、ゲノムワイドsiRNAライブラリー、あるいはES細胞由来のcDNAライブラリーをレポーター細胞株に導入して得られた生存細胞からsiRNAおよびcDNAを網羅的に同定して、初期化因子の発現を制御するネガティブ制御因子およびポジティブ制御因子を明らかにする。さらに同定した発現制御因子群の立体構造をホモロジー・モデリングにより予測し、ドッキング・シミュレーションによるバーチャル・スクリーニングを行うことで、制御因子の活性化あるいは不活性化を引き起こす低分子化合物の検索と同定を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の実験計画に照らし合わせて、厳正かつ効率的に研究予算を執行する。
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