2013 Fiscal Year Research-status Report
体細胞初期化因子の新規ヒト発現レポーター細胞システムの樹立とその応用
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23659115
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
藤田 寿一 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30212187)
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Keywords | 体細胞初期化因子 |
Research Abstract |
本研究では、1)体細胞初期化因子(Oct3/4やSox2あるいはNanog遺伝子)の発現を選択薬剤とGFPなどの蛍光タンパク質によりモニターすることが可能な、新規のヒトレポーター細胞株を樹立して、2)ゲノムワイドsiRNAライブラリー、あるいはES細胞由来のcDNA発現ライブラリーをレポーター細胞株に導入して得られた生存細胞からsiRNAおよびcDNAを網羅的に同定し、初期化因子の発現を制御するネガティブ制御因子およびポジティブ制御因子を明らかにする。3)同定した発現制御因子群の立体構造をホモロジー・モデリングにより予測し、4)ドッキング・シミュレーションによるバーチャル・スクリーニングを行うことで制御因子の活性化、あるいは不活性化を引き起こす低分子化合物の検索と同定を行う。さらに、今回、樹立した新規レポーター細胞を用い、制御因子群の活性を修飾する可能性のある候補低分子化合物の生物活性を検証することを目的とする。平成25年度においては、体細胞初期化因子のノックイン・ターゲッティング・コンストラクトが正確に初期化因子のゲノムに組み込まれたレポーター細胞株を得ることが非常に困難であったため、ノックイン・ターゲッティング・コンストラクトの再考ならびに再構築を行い、エレクトロポレーション法やリポフェクション法によりレポーター細胞株の樹立を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
エレクトロポレーション法やリポフェクション法を用いた体細胞初期化因子のノックイン・ターゲッティング・コンストラクトの相同組み換えによる、ゲノムへの正確なノックインの効率が想定外の悪さであり、体細胞初期化因子の発現レポーター細胞株の樹立が困難な状況であった。しかしながら、近年、革新的な遺伝子編集の技術が確立されてきており、現状の打破が可能になると期待される。現在、最新の手法であるClustered regulatory interspaced short palindromic repeat (CRISPR)/Cas-based RNA-guided DNA endonucleaseの技術を導入し、体細胞初期化因子のレポーター細胞株の樹立、初期化因子の発現制御因子群の同定、ならびにそれらを活性化あるいは不活性化する低分子化合物の検索と同定を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
Zinc-Finger Nuclease(ZFN)やTranscription Activator-like Effector Nuclease(TALEN)など革新的な遺伝子編集の技術が、近年、確立されてきている。それらなかでも最新の手法であるClustered regulatory interspaced short palindromic repeat (CRISPR)/Cas-based RNA-guided DNA endonucleaseを用いた遺伝子編集により、体細胞初期化因子のゲノムに薬剤耐性遺伝子+蛍光タンパク質発現ユニットを組み込み、体細胞初期化因子の発現レポーター細胞株を樹立する。さらに、ES細胞由来のcDNA発現ライブラリー導入による体細胞初期化因子の正の制御因子、あるいはshRNAライブラリーの導入により体細胞初期化因子の負の制御因子の同定を行い、それらの因子を活性化、あるいは不活性化する低分子化合物のスクリーニングを試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
エレクトロポレーション法やリポフェクション法による体細胞初期化因子のノックイン・ターゲッティング・コンストラクトの細胞への導入効率が非常に悪く、またゲノムへのノックインが正確に起こらなかったため、体細胞初期化因子の発現制御因子の同定、ならびにそれらの活性化あるいは不活性化を引き起こす低分子化合物の検索に至らなかった。 遺伝子編集技術の最新の手法であるClustered regulatory interspaced short palindromic repeat (CRISPR)/Cas-based RNA-guided DNA endonucleaseの技術を導入し、体細胞初期化因子のレポーター細胞株の樹立、初期化因子の発現制御因子群の同定ならびにそれらを活性化あるいは不活性化する低分子化合物の検索と同定を目指す。
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Research Products
(4 results)