2013 Fiscal Year Annual Research Report
AAVベクターと人工GPCRを用いたナルコレプシーの遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
23659134
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
三枝 理博 金沢大学, 医学系, 准教授 (20296552)
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Keywords | ナルコレプシー / 睡眠・覚醒 / オレキシン / AAV / ノルアドレナリン / セロトニン / DREADD / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
睡眠障害・ナルコレプシーは、オレキシン産生ニューロンの特異的な変性によって生じる。我々は本研究計画において、ナルコレプシー・モデルマウス(既知の二つのオレキシン受容体を両方欠損したOX1R-/-;OX2R-/-マウス)を用い、ナルコレプシーの二つの特徴、覚醒の分断化(睡眠発作に対応)とカタプレキシー(情動性脱力発作)について、オレキシンニューロンによる青班核ノルアドレナリン作動性ニューロンの活性化が前者を、背側逢線核セロトニン作動性ニューロンの活性化は後者を抑制することを示した。また昨年度は、DREADD (designer receptors exclusively activated by a designer drug)を用いて、これらのニューロンを人為的に直接活性化することでも、ナルコレプシーの症状を改善できることを示した。 今年度は、昨年度までに得られた結果をさらに信頼できるものにするために、実験数の追加、適切なコントロール実験等を行った。得られた結果は論文にまとめ、すでに受理されて公開された。さらに、青班核ノルアドレナリン作動性ニューロン、背側逢線核セロトニン作動性ニューロンの下流で睡眠・覚醒を調節する神経回路を明らかにするために、種々のウィルスベクターなどのツールを作製した。 本研究により、オレキシンによる睡眠・覚醒スイッチ制御の詳しいメカニズムが明らかになった。ナルコレプシーのみならず,不眠症などさまざまな睡眠障害の対処に応用できると期待される。さらに、DREADDを用いてナルコレプシーを抑制できた結果は、予め有効性・安全性の高いことが保証されている薬剤のみをリガンドとする人工受容体を必要最小限のニューロンに遺伝子導入し、その薬剤を服用して当該ニューロンを活性化することで症状を抑えるとの、遺伝子治療法の新たなコンセプトに繋がるものである。
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Research Products
(9 results)