2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23659135
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 清文 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (30303639)
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Keywords | 覚せい剤 / メタンフェタミン / 薬物依存症 / ギャンブルテスト / 意思決定 |
Research Abstract |
現在、日本は第3次薬物乱用期と云われ、薬物乱用者の増加・低年齢化、依存性薬物に関連した薬物事犯の増加などが大きな社会問題になっている。薬物依存患者の意思決定パターンは健常者と異なることが示唆されているが、薬物依存者の意思決定の障害が薬物乱用の原因であるか、あるいは薬物依存の結果として意思決定に障害が生じたのかは不明である。平成23年度は、意思決定に対する依存性薬物の効果を評価することのできるラットを用いた行動試験法(小動物用ギャンブルテスト)を考案し、 メタンフェタミン依存動物の意思決定について検討した。 本年度は、メタンフェタミン依存動物の意思決定パターンについて詳細に解析するとともに、c-Fosマッピングを用いて意思決定に関わる神経回路の同定を試み、以下の成果を得た。 ①アーム選択に及ぼす正の報酬予測誤差 positive reward prediction error (RPE) および負の報酬予測誤差 negative RPE の影響を解析した。その結果、メタンフェタミン依存ラットは、positive RPEおよびnegative RPEの何れの報酬予測誤差があっても、次の試行ではコントロール群と比較して有意にハイリスク・ハイリターンアームを選択する確率が高くなることが明らかになった。 ②意思決定障害を示した覚せい剤依存ラットの島皮質、線条体、側坐核において、c-Fos陽性細胞数が有意に増加した。
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Research Products
(1 results)